ソフトバンク決算 - 宮川社長は「PayPay黒字化」「バルミューダフォン」「従業員の賃上げ」にも言及
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「Pay Pay黒字化」。
PayPayを見ていると「ソフトバンクの3次元経営モデル」を地で行っていることがよく分かる。
「ソフトバンクの三次元経営モデル」とは、元ソフトバンク社長室長の三木 雄信氏によると、営業利益を「(顧客数×顧客単価×残存期間)-(顧客獲得コストと顧客維持コスト)」と考え、次のフェーズで経営すること。
第1段階:顧客数を増やす
第2段階:顧客単価を上げる
第3段階:顧客獲得コストと顧客維持コストを下げる
第4段階:残存期間を延ばす
「無料化」で加盟店の心理的ハードルを下げ、試用顧客を増やし、「お祭り」でユーザーを増やし、顧客数を増やす。
そして、満を持して、サービス開始から3年間の昨年10月から「有料化」。
これで顧客単価が上がる。
一方、残存期間を延ばす戦略は惜しみない。
ユーザーに対して店舗独自の情報を配信できる「PayPayマイストア」や、独自に発行しPayPay上で配信可能な「PayPayクーポン」で加盟店をグリップ。
「祭り」を継続し、ユーザーを確保。ユーザーは今や4,500万。ユーザーが増加すれば、加盟店は離れられない。
顧客の獲得や維持のコストは重回帰分析で予測値を算出。
6,000万ユーザーか7,000万ユーザーは分からないものの、そこで初めて獲得費を減らし黒字化。
特に重要なのが「残存期間」、つまり、顧客でいてくれる期間。
この期間のバリューである「LTV(ライフタイムバリュー)」を意識しているか否かで大きな差がつくという。
「ソフトバンクの3次元経営モデル」から学ぶべきことは多い。
注目のコメント
菅政権の人気取りで犠牲となったコンシューマ事業はアナリストも諦めつつ、他の事業はどうなのか質問が飛びました。
個人的には、PayPayと法人事業に注目していました。
法人事業
Q3時点で利益の12.8%と、存在感を出してきました。テレワーク普及によるモバイル活用が増えた影響とのこと。注目したのは継続収入と利益率。継続収入は安定の75%、営業利益率が19年13%、20年15%、21年17〜18%(引き伸ばしで試算)といずれも高まっていることです。
PayPay
最重要KPIである決済回数は26億回(!)と前年比の2倍近く。有料化に伴い、来期からはフル寄与が見込まれます。ただ決算では利益が言及されておらず、まだまだシェアを押さえる段階にあるのかもしれません。
LINEの統合も順調に終わり、来期に向けた下地が順調にできているという印象です。配当狙いの個人投資家が多い銘柄ですが、実はHAPSなどの新事業も2024年から立ち上がる見込みです。SBG出資企業とのシナジーも楽しみ。