方位磁針の「北」、西にずれる 地磁気の変動影響か―国土地理院
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方位磁針の指す方角は北ですが、ではそれは北極点を指すかというと、そうではありません。磁気における北極(北磁極)があり、そこを指しています。このように北極点に向かう北(真北)と磁極に向かう北(磁北)があり、この差のことを偏角といったり偏差といったりします。地球の地磁気は核の鉄やニッケルが液体の状態で対流し、その中に電流が流れていることにより生み出されているというダイナモ理論が有力とされていますが、その他太陽からの荷電粒子による影響なども受けていて、地磁気については気象庁や国土地理院でモニターを続けています。
今回発表されたのは数年おきに更新されている日本各地の偏角についての情報で、これによりカーナビやスマホで方位の情報を正しく補正できるようになるということになります。私たち航空業界でも飛んでいる飛行機が最後に頼りにするのは方位磁針で、滑走路についている二けたの番号は0°(360°)を磁石の北とした方位角の上二けたです。北極に向かう真北は磁石の北からみて東京ではおよそ7°東ということになります。
偏角が変化しているのは、磁極が移動しているからです。1900年代には、およそカナダの北の北極諸島と呼ばれる場所にあったのですが、2000年ごろから北緯80度を超えた北極海に入りはじめ、現在は日付変更線を超えてシベリアに近いところにまで進んでいるといわれています。磁極の移動が大きくなっているのは、磁場が弱くなっていることとも関係があると言われていますが、詳しいことは分かりません。磁極の移動がまたカナダのほうに戻る動きを見せるのか、それとも移動を続けて気が付いたら南北の磁極が入れ替わっていた(地磁気逆転)ということになるのかはまだわかりません。ただ、地磁気逆転自体は30万年に1回程度のペースで発生していることであり、過去77万年にわたって安定した時代であったことを考えるといつ発生してもおかしくありません。すでに私たち人類も過去に経験していることであり、地磁気逆転程度では人類が滅びるようなことはありませんのでご安心ください。便利になったせいで、地図上の北と磁北がずれているのをすっかり忘れてましたね。
昔は、山に行くときは、まずは、国土地理院発行の地形図に「磁北線」を引きましたけどね。
≪磁北と地図上の北のずれは、登山時などで方角を調べる際に把握が必要になる。スマートフォンやカーナビでは自動的に補正される。≫
初めてのハイキング
「磁北線を引く」
https://www.start-hike.com/01/06_01_jihoku.shtml#:~:text=%E5%9C%B0%E5%9B%B3%E3%81%AE%E5%8F%B3%E4%B8%8B%E8%A7%92%E3%80%812,%E3%81%AE%E7%9B%AE%E5%AE%89%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82