データで見る国内SaaS企業のバリュエーション方法のシフト
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僕も自社の適正株価についてしばしば考えるために、どういったバリュエーションで市場は各社を見ているのかを確認しています。
2020年はSaaSは成長率とPSRまたはEV/Revenueの相関が高かったのですが、21年の中頃にはその相関は崩れていました。もともとPSRはネットバブルの際に、本来企業価値は株主の手元に残るお金から逆算されるべきだけれど、“高いバリュエーションを説明可能にするための指標”との側面があるので、PSRの評価の剥落はDCFやPBR、配当利回りから算出するケースより容易でしょう。
基本的に利上げの話が出てくるシーンでは、成長がキャッシュによって生み出されている、逆に言うとFCFがネガティブな企業、例えば資金無くして成長しない広告宣伝費モデルの赤字企業のバリュエーションが相対的に下がるのではないかと考えましたが、そこまでそうした姿への移行は激しくありませんでした。
ただ、ラクスやウォンテッドリーが相対的に株価の押し下げにあっていないのは、強い「利益を出す力」があるように感じます。
では40%ルールが適切な指標か?というと、そうでもなさそうです。VCの方からは出てくるのですが、機関投資家の方々と話すときにこの指標は会話に出てきません。そこまで信頼されている指標ではないのでしょう。今、グロース株はバリュエーションの…では逆風を受けていますが、今は耐えて、ファイナンスプレーではなく本業でもって、しっかりと株主にかえる利益を中期的に出すための力をためる時期として考え、事業成長に邁進したいです。Saas企業の株価が下がっているのは、DCFバリュエーションで考えると分かりやすい。
DCFモデルは、予測期間のキャッシュフローの現在価値と継続期間のキャッシュフローの現在価値を合算したものを事業価値とする。Saas企業のような成長企業は、通常の企業と異なり、予想期間は投資フェーズであることが多いため、キャッシュ・フローが少ない、つまり、継続期間の高い成長率のキャッシュフローに依存している。
そのキャッシュフローは、WACCで割り引くが、金利が上昇すれば、これが高くなり、現在価値が低くなる。
成長企業は、継続期間の成長率の高いキャッシュフローに依存しているため、通常の企業より現在価値が低くなる。
これがSaas企業の株価が下がる原因の一つ。
Saas企業は、長期で考えたほうがいいかもしれない。