【超解説】Googleも参戦。過熱する「時間結晶」の先陣争い
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現代物理学の最先端で、激しい論争と競争を生み出している「時間結晶」。昨年、ブレイクスルー賞の「物理学ニューホライズン賞」に輝いた気鋭の理論物理学者、渡辺悠樹・東京大学准教授に1から解説していただきました。
先陣争いの行方も気になりますが、理論と実験がうまく噛み合って進んでいる研究なので、今後の発展が楽しみです。
理解のスタートとなる重要な概念が「対称性の自発的な破れ」です。とっつきにくい言葉だと思いますが、噛み砕いて説明しているのでぜひお付き合いください。(ちなみに英語だとspontaneous symmetry breaking。こっちの方が直感的にわかる気がします)
原稿を書きながらつくづく思ったのは、「時間結晶(time crystal)」というネーミングの秀逸さ。人の関心を引きつける魅力があると思いませんか?
提唱者のウィルチェックさん自身の書いた記事によると、最初は「時間並進対称性の自発的な破れ」と呼んでいたところ、作家でジャーナリストの妻、ベッツィ・ディヴァインさんが「そんなのダメよ、時間結晶と呼びましょう」と提案。ウィルチェックさんはそれを受け入れ、論文でも採用したのだそう。時間結晶という聞きなれないことばにひかれて、この記事を読みました。結晶と破れという概念に少し違和感があります。どんな分野に活用されようとしているのか、それが知りたいと思いました。
時間軸で対称性を破る、それは進化ではないのでしょうか。時間結晶の研究で進化の過程や今後の進化の方向性がわかると面白いですね。面白い!「空間に結晶があるなら時間にも結晶があるはず。」正しいかはともかくこういうそれまでの概念(ないし概念の不在)を破るような発想に触れるとドキドキしますね。仮にこれが何かの役に立たないとしても、研究としての深みがありそうなトピック。