労働者負担増、先送りへ 雇用保険料巡り政府、自民
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注目のコメント
選挙対策?
まぁ、チグハグですよね。
雇用を守るため、雇用調整助成金を支出するけど、雇用保険料で回収します?
ならば最初から雇用調整助成金を出さなければいいのに。
つまり、衆議院選挙があったからバラ撒き、参院選が近づいたから雇用保険料を上げるのは少し待ちましょうというはぐらかしでわないですかね。
各施策を選挙材料でしか考えられないのは、そもそも国会議員としていかがなものですかね〜。失業した時の生活を守るための保険である以上、雇用保険料は労働者が全額負担するのが本筋で、半分を雇用主に負担させたら、労働者は軽い負担で大きな保障を得ていると錯覚し、負担と給付の関係が見えません。雇用主に半分負担させる今の方式は、選挙民でもある労働者の目を暗まして痛みを感じさせない誤魔化しです。
そんななか、「労働者が負担する分の料率アップを来年秋以降に先送りする」ということは、雇用主が負担する分は上げるということでしょう。雇用主負担分も立派な人件費で、本来なら賃金になる原資です。「来年夏の参院選への影響を懸念する自民党内から慎重論」が出たがゆえに選挙民(≒労働者)に見えないところで賃金原資を奪うやり方は、政治の劣化そのものです。
企業を保護せず企業を離れた人を保護する方式の米国では、新型コロナ禍で失業率が一気に10%上昇したのち、仕事のあるところに労働力が移って賃金の上昇を伴いながら落ち着いて行きました。雇用調整助成金で企業を保護する日本では、失業率は上がらず社内失業状態の休業者が失業率に換算して10%に当たる6百万人に増大し、残業と賞与を減らし仕事を分け合う形で吸収して行きました。日本の制度は短期的には失業を生まず安心ですが、中長期的に見て経済と賃金を停滞させることが明らかです。
国民が雇用保険料の引き上げで痛みを感じれば、雇用保険料を雇用調整助成金という企業保護の原資に回す矛盾が白日の下に晒されます。しかし、国民の痛みを回避しつつ企業に負担を求めれば、日本で活動する企業のコストを目に見えないところで引き上げて国際競争力を削ぎ、日本を停滞に追い込む雇用調整助成金も議論の無いまま生き残ってしまいます。
分配重視の姿勢を打ち出して国民の歓心を買う一方、日本を衰退に追い込む本質的な問題に切り込む気のない政治の特質が良く表れているように感じて心配です (・・;ウーン