石油の国家備蓄初放出へ、余剰分の一部を売却して市中に流す案も
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石油備蓄の国家備蓄の余剰分を放出するとのこと。
何故余剰分があるか。
かつては5000万klと目標数量で定めていたが、ある時から、日数で90日以上となった。その後、日本の石油消費量は下がり続けて、数量ベースでは余ったまま。これを活用する分には制度上の問題はない。
そもそも石油備蓄は普段から新しい石油を入れて古い石油を出している。その量を増やすだけだからオペレーションも問題ない。
日本はスズメの涙で効果はしれていても、各国協調してなら、市場へのアナウンス効果もあるかも知れない。
米国の呼びかけに無碍に断るのも外交的には稚拙。為替の国際協調介入を想起します。急速な円高が進んだ90年代、2000〜10年には政府や通貨当局の介入がよく行われました。「シグナル効果」を期待しての介入が多かったと聞きますが、今回もそれと同じでしょう。石油ショックの時につくられた制度ですが、当時と時代は様変わりしています。石油の消費量は減り、今世界は化石燃料の削減に躍起です。その意味でも、取りうる選択肢になったということなのでしょう。効果が出ることを期待します。コロナ禍が収まり、これからという時の原油高。悲鳴がやみません。
ガソリン等の値上がりへの国民の不満を逸らすため、我が国への石油の供給が阻害される事態が起きたわけでもないのに戦略的な備蓄を減らすわけですね。法定の国家備蓄を上回る余剰分だから問題ない、ということかも知れませんが、果たしてどれほど効果があるものか。
石油も天然ガスも鉄鉱石も肥料も飼料も食料も輸入に頼る我が国は、資源の輸入と広い意味での輸出のバランスを取りながら成長せざるを得ない宿命を昔も今も負っています。そんな中、赤字が目立つのは中東からの原油輸入で、この赤字が膨らめば、輸入と輸出のバランスを取りながら成長することが難しくなってしまいます。世界が脱炭素を掲げて原油採掘への投資を減らすなか、一時凌ぎの原油の放出だけでは日本の未来が描けません。原子力の活用は、原油が入手し難くなる事態への備えでもあったはず。掛け声ばかりが先行して具体的な絵が描き切れないとされる日本の電源構成。石油の国家備蓄の放出まで検討せざるを得なくなったいま、改めて考え直す必要がありそうな・・・ (・・;