【必読】富士フイルムが目指すGreen Digitalとは。
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富士フイルムは、ハーバードビジネススクールでのケーススタディ「(祖業のフィルム事業の市場が10年間で10分の1にまで減少するという)本業消失危機からの復活の軌跡」を古森前社長が、「写真文化は必ず守る」、「富士フィルムの原点には自然からの恩恵に対する感謝とお客様からの信頼がある」、「サステイナビリティ―への長期的な取り組み(のなかで第2創業を実現する)」という方向性で危機を乗り越えてきた日本発のグローバル企業。
「本業消失危機からの復活の軌跡」については、本年2月にそれを率いた古森前社長が解説するとともにフィリップ・コトラーが「古森ウエイ」として分析した、変革のための「理論×実践」の一冊、『Never Stopイノベーティブに勝ち抜く経営』が2名の共著として出版されています。
今回の『Green Digitalプロジェクト』の製品は、データセンターにおけるCO2排出量と電力消費が大きいことが問題となっているなかで、その最大効果ポイントに的確なソリューションを提供する製品であることが特長の一つとなっており、すでにGAFA等米テクノロジー企業でのデータセンターでも活用されているものです。
以下は同プロジェクトの専用サイトです。https://www.fujifilm.com/jp/ja/business/data-management/datastorage/eco-friendly
私自身、気候変動対策、地球環境問題への対策を「会社の芯から地球環境問題に対峙する」べきであると客員研究員を務めているニッセイ基礎研究所での論考(2019年11月)でも主張してきたなかで、そのパーパスを体現した製品・事業であると注目しています。
グリーンな手法で人・企業・社会のデジタル化を進めていくことが求められているなかで、日本企業がそのリード役となることを期待しています。DXの推進によって世界のデータ保存量が急増し、それに比例して電力消費量が増加しているそう。サイトでは富士フイルムが開発した「低エネルギーでデータ保存ができるテープストレージ」が紹介されています。テープストレージはハードディスクと比較して、CO2排出量を95%削減できるとのことで、環境保護の文脈で注目する企業が多そうだと感じました。
先日も記事が出ていましたが、この考えはとても大切です。保管に関わる電力以外にも、IT周りは全て電力と熱の戦いの場です。
特に、スマホでアプリをたくさん起動したりするとわかる通り、半導体チップや電気の導線は電気が流れる際の電気抵抗を熱エネルギーとして外に放出しています。これは、抵抗での損失があるからその分多くの電気を流さなれけばいけない事と、使う量が増えると周りの空気の温度を上げることを示します。PCをずっと稼働させると部屋の温度も上がったように感じるものです。
デバイス周り、ICTインフラ周りの材料メーカーは、色々な視点からこれらの課題に勝つ材料開発を進めています。本記事のケースを踏まえて、他の材料アプローチも探してみると面白いと思います。