豪「RCEP1月発効」 日中韓含む初の貿易協定
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TPP完成のあと、インドやインドネシアという次の大経済大国だけでなくTPP交渉をやり遂げたベトナム等も容易に合意しなかったRCEPが実現したのは日本の交渉団の力による部分も大きいです。
RCEPの協定内容そのものは当初想定どおりあまりハイレベルではありませんが、中国や韓国と対話し続ける枠組みとして確立したこと自体に価値があります。経済安全保障の文脈でもこの枠組みをどう活かすかが重要です。批准状況が分かりにくいので直ぐに説明するのは難しい面もあるが、シンガポール、日本、中国大陸は早いうちから批准済みである(きっちり整理されたものがないので、Wikiレベルの情報も含めて記載)。ASEAN構成国もシンガポールを含めて批准に向かっていて、意外な所ではミャンマーなども既に批准を完了している。韓国は10月頭に批准案を国会に提出済み。なので棚晒しになっていなければ国会審議中と考えられる。今回豪・NZが批准完了したとのことで、ASEANではない署名国で批准完了がまだなのは韓国だけとなる。
RCEPはASEAN構成国から何か国、非ASEAN構成国から何か国が批准してようやく発効という位置づけになるので、今回(日本政府がではなく)オーストラリアが発効の目途を話したのは、RCEP発効の鍵となっていたのは非ASEAN構成国の批准要件だったから、という面がある。
さて、これで限定的とはいえ、日本も中国大陸と自由貿易圏という位置付けになった。韓国も批准案を国会提出済みのため韓国ともその状況は近い。日本がRCEP構成国の中で自由貿易協定FTAなどを結べていないのは(RCEPから抜けたインドとはEPAを結んでいたことも含めて)中韓のみ。従って中国大陸や韓国はどう反応するかが大きな鍵であった。
日中韓の間はFTAを直接結べる環境にはなかなか無い。だからこそこのRCEPは限定的でも重要となる。
中国大陸はかつて日本にとっては一時貿易相手国としてはUSAを抜いて1位だったこともある重要な貿易相手国。今でもmade in Chinaは各方面で見るなど多くの貿易関係がある。だからこそここを通常のものについて関税撤廃する意義は大きい。かつて、マハティール(1981-2003年の首相在任時)が1990年にEAEC構想を発表し、米国はもちろんのこと、日本も批判的な立場だったことを考えると時の流れを感じます。EAEC構想はASEANと日中韓という米国抜きであり、APEC主義の米国からの反対が強かったです。また、当時のASEANと東アジアは、日本を除けば経済規模はまだまだだったという時代。