緊急事態、13都府県に拡大 まん延防止措置は16道県
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どんどん広がりますね。医師としては当然、「感染しないように外出などは可能な限り避けてください」とは言います。
しかし生活や経済の事を考えればそれが難しいのは理解していますし、逆に「感染に対する実効性のある対策」になっていないのは強く感じます。
私は以下の問題点を感じています。
・宣言自体の実効性
既に宣言が出ている都内でも、人流は抑制できていませんし、感染は拡大しています。初期の緊急事態宣言と違い、もはや「形だけ」となっているのは事実であり、宣言を出すことが実効性のある感染対策になるとは思えません。また、オリンピックや初期の政治家などの会食を見れば、その宣言自体の意味が疑われてしまったのも無理はないでしょう。
・同じ宣言を繰り返す意味
初期の宣言の頃とは患者の数も違いますし、何よりワクチンという予防手段が出てきて、それを接種している人も増えています。高齢者の感染率や死亡率は大きく抑えられており、効果は明らかです。
逆に医療現場は長期の戦いに疲弊しています。この状況で、同じ宣言を5回も出す意味は何でしょうか。内容をもっと詰めることはできないのでしょうか。
・対策としては遅きに失している
既に医療機関の重症ベッドは、昔の高齢者で占められていたのとは異なり、若い感染重症者で占められています。若い患者は行える治療の幅も広く、その分治療も長期化します。既に都内で救急車の受け入れができないというのはこういうことの関与しています(もちろんデルタ株の感染力・病原性の強さが大きな原因ですが)。本来はこうなる前に人流を抑制し、感染拡大を抑止する必要がありました。重症者が増えて医療機関が音を上げてから対策を出す、というのは遅すぎます。
・出口戦略のなさ
感染者が増え、重症者が増えたころにやっと緊急事態宣言。期間は決めるが、ゴールは決めていないのですぐに延長になります。だから宣言に「とりあえず出すから外出とか控えてね」程度のメッセージしか感じられないのです。感染者を減らすなら、その目標を提示し、国民の協力を得られるようなプレゼンテーションをする。逆にある程度の感染を許容し経済へのダメージを最小限としたいなら、メリハリを示してきちんとした補償をする。どちらもなく、マイルストーンも出口戦略もない政策に国民の同意は得られないのではないでしょうか。今回の延長と地域拡大の影響を加味すれば、4回目の緊急事態宣言に伴う消費押し下げ圧力は▲0.88兆円から▲1.4兆円程度に拡大すると試算し直されます。
同様にGDPの減少額は▲0.75兆円から▲1.2兆円程度に拡大すると試算されます。
これは2021年7-9月期のGDPを▲0.9%程度押し下げることになり、年率換算では▲3.6%程度押し下げる計算になります。
そして、それに伴う3か月後の失業者の増加規模はトータルで+4.2万人から+6.6万人程度に拡大すると試算されます。当初の日程では、状況は好転しないと誰もが思っていたので追加、延長の決定には驚きはない。 一方でアクションがゴテゴテになっている感は否めない。 未来(そんな先ではない)を予想して いくつかのシナリオを作り、対策を先回りして立てる。 どこまでの負荷なら耐えられるかを常に最新の情報に基づきシュミレーションする などの危機管理の動作がとれていないように感じてしまう。