ベラルーシ五輪選手 “スピード亡命”の舞台裏
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亡命というのは、1人でできることではありません。緊急の場合、つまり追われている場合は、特にそうです。この件の場合、帰国させようとしていたのは在東京ベラルーシ大使館の治安・諜報関係の大使館員でしょうが、誰かが逃げるのを助け、匿ってくれなければ、政府から逃げ切るということはできるものではありません。
今回は、空港の警察が一応、保護してくれたのと、ベラルーシくらいの国だったので逃げきれましたが、ロシアや中国の政府が相手であれば逃げ切れないでしょう。家族が先にベラルーシから脱出していたというのが大きかったです。だいたいは、家族を人質にとられたら逃げられません。
逃げる、隠れる、外国に渡航する、までは、金があって、プロの逃がし屋に依頼すればできます。しかし、まともに亡命して安全に外国に滞在するならば、外国政府の承認を取り付ける必要があります。よほど世界的名声があるならともかく、これは個人ではできません。
亡命支援組織が無ければ、密入国や不法滞在をする難民にしかなれなかったりします。それでは身の安全が確保された状態とはいえません。亡命支援組織は、ある民族や宗教の人々であれば持っている場合もあるし、持っていない場合もあります。
ベラルーシ人は、2020年の大統領選挙後の抗議行動、大規模弾圧以来、亡命支援組織を整備してきました。これは、ベラルーシ政府から見ると体面を潰す目の敵で、先週は亡命支援組織のトップの1人が、木からつるされた遺体で見つかりました。
ベラルーシからの亡命支援団体トップ、遺体で見つかる ウクライナ
https://newspicks.com/news/6070951?ref=user_1125005日本でも、こうした地道な調査報道を継続的にやっているジャーナリストがいることに敬意を表します。普段から、ベラルーシ人コミュニティと接触し彼らからリスペクトされていたからこそできた報道であり行動だと思います。
そして、これだけの行動ができるほどの日本在住ベラルーシ人コミュニティがある、というのも驚きです。