なぜサウジは初の「長編アニメ」を日本企業と作ったのか? 制作会社が明かす壮大な「国際戦略」
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このミスク財団や制作会社のマンガプロダクションズについては、こちらの記事が詳しいです。
サウジアラビアの娯楽庁・ミスク財団・マンガプロダクションズについて
https://alarabiyah.sakura.ne.jp/anime/mangaproductions/
日本だと去年土曜日の朝に、ここがつくった『アサティール 未来の昔ばなし』というサウディアラビアを舞台にしたアニメが放映されていました。もっとも、サウディ側が東映にお金を出して制作を発注している、という部分が大きいです。
「壮大な国際戦略」というより、サウディアラビア国内の産業育成と文化政策というのが主な目的でしょう。
今年6月には、やはりマンガプロダクションズと東映の共同制作である長編映画、『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』が日本でも劇場公開されます。
サウジアラビア初の長編アニメ『ジャーニー』6.25より限定公開 ポスター&場面写真解禁
https://www.crank-in.net/news/88298/1この作品にいったいどれだけの”サウジ人”が関わったのかが知りたいです。関わるというのは「史実確認」といった「口を出すだけ」の話ではなく、「作画」といった実作業のことです。
アイデアとサポートはするが、実際の作業はアウトソーシング、というのはいかにも湾岸アラブらしい。もちろん、これをきっかけに国内製作へと繋がれば万々歳ですが、そのためにはアラブ全般に未だある「アニメや漫画は子供が観るもの」という固定観念を覆すところから始める必要があるでしょう。
同時にサウジや湾岸諸国などでアニメを定着させるためには、国内におけるアニメ製作関係者の認知度とステータスを上げる必要があります。
マンガプロダクションズを含め、規模の大きなプロジェクトのようですので、その辺には大いに期待したいと思います。中東でも日本アニメは人気が高く、特にサウジアラビアが10年ほど前から熱心に日本との関係を作りたがっていました。どの宗教にも溶け込めるのがアニメの強みであり、全方位に仲良くしてきたのが戦後日本の強み。活かしましょう。