日銀、大規模緩和政策を維持 21年度物価予想を引き下げ
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高度経済成長が終わって以来一貫して下げ続けた家計の貯蓄率は、日銀が異次元緩和で大量に国債を買い、それを頼りに政府が財政支出を急拡大する構図が固まった2013年度を境に上昇に転じ、新型コロナウイルスでその兆候が顕著になった昨年度は一気に11.3%まで高まりました。リーマンショックの直後にも一時的に貯蓄率が高まりましたから、足元の貯蓄率の上昇は将来への不安の裏返しとみて良さそうに思います。
主要国の中で生産性の伸びが最低レベルにとどまって賃金が増える見通しが立たず、財政と社会保障の将来も心配な状況では消費が元気を欠くのは当然で、日本経済の6割を占める消費が盛り上がらなければ需要に裏打ちされた良いインフレは起きません。
仮に物価が上がるとすれば、資源を始めとする生産コストの上昇が主な要因で、庶民にとって辛いものになりそうです。コロナ禍で名目賃金が下がる状況下、「日銀、21年度物価見通しを引き下げ」というのは庶民にとって寧ろ喜ばしいニュースじゃないかとさえ思えてしまう昨今です f^^;通常の国の中銀が物価予想引下気下げとなれば、追加緩和観測の強まりか早期出口観測の後退に結び付きます。
しかし、日本の場合は追加緩和の余地も限られるほど出口には程遠いですから、物価予想引き下げ自体はマーケットには無風でしょう。