米中、温暖化対策で協力と発表 首脳会合に期待、習氏参加が焦点
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原文はこちらですね。
https://www.state.gov/u-s-china-joint-statement-addressing-the-climate-crisis/
米中が以下について取り組むとしていますが、それぞれの行動を強化し国連気候変動枠組条約やパリ協定に協力とあり、お互いに協力するが他の国とも協力するということで、特別に二国間で具体的な何かに対してがっつりと連携する感じには読み取れません。
とはいえ、米中二大大国が気候変動に本気で取り組む姿勢を示したことは、世界にとって明るい兆しでしょう。
・4月22日・23日に米国が主催する気候に関する首脳会談
・グラスゴーCOP26までに、カーボンニュートラルのための長期戦略をそれぞれの国で策定
・開発途上国の再エネ移行の支援
・ハイドロフルオロカーボン(代替フロン。オゾン層を破壊しないが二酸化炭素の数百倍~数万倍の温室効果があると言われている)の生産と消費の段階的廃止
・パリ協定に向けた2020年代の具体的行動に向けた話し合い協力の方向性は異論がないだろうが、問題はその中身。
項目は列挙されているが、この分野で当然想定される項目が並んでいるだけ。
これをもって具体的とは言えない。
これが単なる政治的意味だけなのか、具体的中身が伴うかは今後見極める必要あり。
特に当面の課題の2030年のCO2削減目標はまだ中国は踏み込んでいない。そんな段階で近々、日本はさらなる削減の目標を出す予定だが、国際的な駆け引きとしては馬鹿正直すぎる。「気候変動問題では米中が協力できる」と見る向きもあるのですが、決定的に対立する他のイシューよりは良い、ということだと思います。
各国ともに気候変動対策によって自国の経済成長を図ろうとしているので、目指すゴールは共有するものの、具体的にどういう技術で削減するかとなれば自国の産業に利するように議論を持っていきます。
協力関係がどこまで具体的に維持できるのかという点において、私はあまり楽観視していないといいますか、期待値高くありません。
気候変動対策を経済成長にという向きは各国とも明確で、バイデン政権は、オバマ時代のグリーンニューディールの失敗に学び、インフラ・クリーンエネルギー計画でも米国の雇用増大に資することを大前提にしています。そして、既に世界の太陽光パネル製造のシェアの太宗を占める中国は、先進国が積極的な温暖化対策を掲げれば自国の産業育成に利することを理解しています。
さて日本はどうするか。
先ほどもテレビ朝日さんで池上彰さんが「日本企業は再エネ関係の特許を一番多く持っている」というのが紹介されていたのですが、特許でビジネスできるわけじゃないんですよねー。そのあと「でも太陽光パネルのシェアのほとんどは中国」という話もされていた通り、安く大量に製造するということができないと結局「技術で勝つ」といっても絵空事になっちゃいます。
どうやって「食える日本」を2050年に遺すかの視点で戦略的に考えたい。