【3分解説】アメリカ企業の「旧東芝メモリ買収」が難しい理由
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注目のコメント
米国の半導体戦略が急激に動いています。
IDMからファブレスになると予想されたIntelは、
ファウンドリーへの進出を宣言しました。
地政学的リスクを減らすために、
アジアに集中している半導体の供給を
欧米に持ってくるというのも、
その理由の一つでした。
実際、半導体の供給は日本、台湾、韓国など、
アジアに集中しておりますが、
需要はGAFA等、アメリカに集中しています。
メモリー半導体では、Intelがメモリー半導体の
一部をSKハイニックスに売却しており、
米国国内企業のメモリー半導体の
競争力は弱くなっています。
バイデン大統領は、最先端分野のインフラ構築
などに、投資を約束しました。
米国政府からの大々的な支援が行われるとしたら
米国企業の攻撃的な投資に力がつき、
キオクシアの買収も不可能な話ではなくなります。
半導体は国の覇権を争う基幹産業であります。
日本産業の発展のためにも、危機感を持って、
賢い対応をしてほしいです。記事には個人的には同意できない。
昨日コメントしたが、そもそもこの話が出ている背景は、Bainのエグジットの文脈だと思う。これまでもIPOをしようとしてきたが、市況悪化などできなかった。そのなかでIPOも見据えるが、キオクシアはNANDでのシェアがグローバルに一定ある中で、NAND事業に参入している各社にとっては買収する戦略的意義がある。複数社そう感じる会社があるので、そこで一定の値付けをできる可能性もある。
https://newspicks.com/news/5729989
では、現実論としてはどうか?財務的にはMicron、現在の資本関係性ではSK Hynix、物理的・歴史的な関係性ではWD。
記事にもあるようにWDは財務としては一番弱い(現預金だけ見てもどうかとは思うが、それ以外でも同様ではある)。MicronやHynixにとっては、3兆円としてEBITDAで2-4年分くらい。もちろん半導体は減価償却が極めて大きいビジネスではあるが、設備投資の代わりに買収をするという考え方もできる。
現実論としては、Micronがやはり有利だと思う。財務面が一つ、あとはエルピーダでの実績(むしろエルピーダがあったときに日本でNAND・DRAM連合を東芝からスピンオフして作れていればよかったのに)。経産省の考え方は影響してくるのではないかと思うし、米国は現在半導体に対して自国の競争力を上げたいという観点で、SK HynixよりはMicronというイメージ。日本の半導体産業の復活は難しい。米中戦争の中にあって、米国の属国に過ぎない日本に勝ち目はあるか。復活の鍵は別レイヤーでのデファクトをいかに取るかにかかる。スマートシティなどはまさにその本丸だ。政府や行政にその覚悟がどれだけあるのだろうか。