中国の月面探査機、地球に帰還 土壌サンプル持ち帰る
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中国、月からのサンプルリターン成功!
中国は月探査では13年に月面着陸に成功し、19年に世界で初めて月の裏側に着陸。今回のサンプルリターン成功をテコに、月面基地建設や有人探査、レアアース等の資源開発を進めていく予定です。
注目のコメント
本当にすごいニュースです。はやぶさ2と同じくパーフェクトな成功。中国の宇宙開発における技術力が世界トップレベルにあることは、もはや疑いようがありません。
44年ぶりの月サンプルリターンの成功、それだけでもすごいニュースなのですが、このニュースは中国の宇宙開発における目を見張る躍進の象徴的な出来事でもあります。
嫦娥5号はアポロと同様の月軌道ランデブー方式を採用しました。つまり、複数台の宇宙船による複雑なミッションとなりました。
軌道船と着陸船が一緒に月に行ったのち、着陸船のみが月面へ。その上昇ステージのみが月軌道に戻って軌道船とランデブー・ドッキング。サンプルを軌道船に受け渡し、軌道船が地球へ帰還、という手順です。
非常に技術的に難しい(かつ日本がまだ行なっていない)要素が多数ありました。列挙すると、
1. 月面への着陸
2. 掘削、サンプル採取
3. 月面からの打ち上げ
4. 月軌道でのランデブー・ドッキング
5. 月軌道からの直接帰還(しかもアポロのように一度高度を上げたのち再突入する大気圏スキップ飛行)
1はこれまでも実績あり。5はあらかじめ技術実証ミッションを飛ばしていたみたいです。2, 3, 4は今回が初です。それを全て一発成功。もう、唸るほかありません。
中国はこのような国営宇宙開発だけではなく、民間も非常に元気がいいです。しかし、中国の宇宙開発は一朝一夕に始まったものではなく、実はかなり長い歴史があります。
その礎を築いたのが、中国の「ロケットの父」と呼ばれる銭学森。実は彼、僕が今勤めているNASAジェット推進研究所の共同設立者でもあります。しかしなかなか時代に翻弄された人で、レッドバージにあい、共産党シンパだと無根拠な疑いをかけた末に中国に送還、そしたら中国で核ミサイルと長征ロケットを作ってしまった。アメリカにとっては本当に愚かなものをしたものです。
字数が収まらないので、続きはここに書きました:
https://uchu-no-hanashi.hiroono.com/father-of-chinese-rocketry/
追記 りゅうせきさん、誤字の指摘、ありがとうございます。日本でははやぶさ、中国が月面探査。それぞれ宇宙ではいい成績を取っている。
日本のはやぶさについては中国ではかなり大きく取り上げ、日本より関心度が高い。日本の宇宙技術は高く評価されている。「はやぶさ2」も中国の嫦娥5号も、アメリカのオシリス=レックスもサンプルリターンを進めている。今や惑星科学はサンプルをとってくるのが基本となりつつあり、その先鞭をつけたのが初代「はやぶさ」。でも国旗を立てるのは中国らしいな…。