今年の漢字 2020年は「密」に決まる
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注目のコメント
小池百合子の言葉の感覚だけは、本当に「天才的」だと思う。政治家は言葉で世の中を変えられる仕事と思うが、およそ、日本人一般の行動や思想を自分の言葉で変えることに成功している政治家というのを同時代で他に知らない。
彼女が15年以上前に発し、今なお日本人の考え方に大きく影響を与え続けている言葉がある。環境大臣であった2004年にイラク人質事件にふれて発した「自己責任」だ。
その年の流行語大賞を受賞し、当時の小泉内閣の閣僚たちもこぞってこの行政責任回避便利ワードを連呼し、反権力的"プロ市民"叩きが大好きな当時のネット民たちも、多いに拡大再生産した。
結果今なお、「自己責任論」は完全に日本人に定着しているのみならず、その対象を"プロ市民"からさらに広げて、単に貧乏に転落してしまい生活保護を求める人であるとか、性被害にあった女性とか、技能実習生として来日したが搾取に耐えかねて脱走し不法滞在者にカテゴライズされることになった外国人などにも向けられるようになった。
まったく小池百合子は天才だ。もちろん最低最悪の意味でだ。「密」などは自己責任論に比べれば悪の芽に乏しい言葉だが、久々に小池百合子が言葉で大衆をコントロールする才能を持った政治家であることを示したと思う。
日本語によって日本人の思考を貶める能力を持ったこの政治家が再び政権を目指すようなことがあれば、「緑の党」騒動と同じように全力否定させてもらう予定である。
参考記事
https://bunshun.jp/articles/-/9514今年の漢字については、選ばれる漢字の意味合いが、現実の行動と逆になっている印象です。
『密』というのは、報道や会話で多く使われた漢字ではありますが、むしろ今年多くの人が行動として“避けた”言葉ではないでしょうか。
つまり多くの人が今年意識した行動で漢字を例えるなら、『離』や『避』など距離感を意味する漢字の方が適していたのではないかと思います。