日立製作所、日立金属を売却へ 米ファンドが応札検討
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日立製作所の聖域なきポートフォリオ見直しはnon-stopで進んでいます。これで御三家(化成、電線、金属)も全て売却が完了し、大きな打ち手は大方目処が立ってきた。これからは攻めのM&Aに注目。
国内での大型事業売却案件では、KKR、ベインキャピタル、Blackstone等が有力。
2012年:HDD事業 -> WDD
2014年:火力発電 -> MHI
2015年:空調事業 -> Johnson Control
2016年:日立物流 -> 佐川
2016年:日立キャピタル -> 三菱UFJリース
2017年:日立工機、日立国際電気 -> KKR
2018年:クラリオン ->フォルシア
2019年:昇降機、自動車部品
2019年:日立化成 -> 昭和電工
2019年:画像診断(医療)->富士フィルム
2020年:日立ハイテク(まず完全子会社化)、日立建機、日立金属
これらの聖域なきポートフォリオ見直しの契機は、金融危機後の大規模赤字(▲7,873億円)、その後の大規模希薄化を伴う大型資金調達です。その後、一気に経営体制や事業構造の見直しを推し進めてきました。
「10年がかりの大仕事」です。日立金属については、売却は規定線だと思う。報道を振り返ると、8月に日経ビジネスが報じ(①)、またその後10月末に3000人超のリストラ計画が会社から発表された(②)。
日立が進もうとしている「重い領域でのDX」に対して、素材は少し毛色が違う。昭和電工に売却となった日立化成と同様に、日立金属も素材。磁石材料や電磁鋼板など強い技術を有しているが、ポートフォリオとの方向性とは違うと思う。
時価総額は約6000億円。KKRなどのファンド系はともかく、事業会社系での買収を考えると、どこがいるだろう…鉄系で日本製鉄時価総額1.1兆円、JFE5500億円(!)、あとは住友電工約1兆円とか?
あとは、記事によると日立建機もやはり売却意向なのか。先日JICの出資検討という報道もあった(③)が、こちらは完全売却ではなく一定は保有する。ここらへんもポートフォリオの方向性を示唆している。
①https://newspicks.com/news/5162314
②https://newspicks.com/news/5339434
③https://newspicks.com/news/5328708