【藤井保文×宮田裕章】日本は「信用スコア」をどう活用すべきか?
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Weekly Ochiaiの中国特集で宮田さんとこのテーマで盛り上がり、「もっと深く議論したい!」という要望を、NewsPicks佐々木さんが受け止めてくださってできた企画です。
信用スコアは言ってみれば「ゲームのレベル」や「経済圏のVIPシステム」を、デジタルリアル融合時代に最適化したもの。金融だけでなく、スマートシティや経済圏構想においてとても重要な示唆があると思っています。
注目のコメント
中国では信用スコアのジーマクレジットによって、マナーがよくなり、借りたものは返さなければならないという意識は高まりました。
しかし、ビジネスと結びつけたことで、弊害が生まれています。アリババグループ、アントグループの利益誘導になっている。なおかつ、銀行にBaaSとしてサービスを提供しているのですが、銀行は決定力をもたず、アントグループが主導権を握っています。
その結果、融資や投資、保険の過度な販売になっている。こういう状況に懸念を抱いた規制当局(中央銀行)は、アントグループのIPOに待ったをかけました。
信用スコアの使い方を誤ると、怖いことになります。道具は使いようですね。「信用スコア」、「監視カメラ」について、中国の友人や学生らの比較的若い世代に話を聞いたことがあるのですが、当然プライバシーは大事だという声がある一方で、犯罪の少ない安心した生活ができるのであれば必要という意見もあります。
日本ではあまり想像できないかもしれませんが、中国ではいまだに、児童誘拐や人身売買が大きな社会問題となっています。年間約20万人の子どもが誘拐されているとの報道もありました。
実際、私が住む北京の集合住宅地の中には幼稚園と小学校があるのですが、登下校の時間帯には正門周辺が黒山の人だかりとなります。誘拐を心配して両親や祖父母が送り迎えしているのです。
また、ネットショッピングやフードデリバリーの普及に伴い、交通ルールを守らない配達員による電動バイクの事故も多発していますし、無断駐車や暴走運転などで渋滞を引き起こしているドライバーも少なくありません。
このように、実際に現地に住んでみないとわからないような社会問題が中国には依然として山積しており、監視カメラについても「誰が一番困るかといえば、犯罪者やルールを守らない人間だ。真っ当な生活をしていれば何の影響もない」という声もあるのです。