M&A仲介の利益相反について
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M&Aに仲介はあり得ないと、大昔から言っています。
ただ「M&A仲介業務は、売手だけに負担させている」とのご指摘ですが、実は、一番大きなリスクを負う可能性があるのは買手です。
買手は、十分なアドバイスなくして、買収しその会社が巨額の隠れた債務を負っていた時にその返済義務を負います。
M&Aに紹介業はあっても仲介業はあり得ません。普通のmid capやlarge capディールのように売り手、買い手それぞれのFAがつけば問題ないと思いますが、地方の中小企業のディールではコスト的に両側のFAフィーを負担するのが厳しいということでしょうか?とはいえ、人生をかける重要なディールですし、簡易的なものでも良いので、売り手も買い手とは独立している専門家のアドバイスをもらえるように設計すべきでしょう。
事業承継問題の解決に向けて、避けては通れないM&A仲介の利益相反問題について、筆者の意見に賛成です。
仲介の問題は、
・売り手は高く売りたい
・買い手は安く買いたい
・仲介業者は案件を成約させて手数料をもらいたい
という三者の思惑と、仲介業者に全ての情報が集まるという状況が問題を引き起こします。
例えば、
・売り手は5000万円で売りたい
・買い手は6000万円で買いたい
というケースですと、両方の情報をもっている仲介会社としては、買い手側の利益を最大化するなら5000万円で成約させますが、売り手としては本当はもっと高く売れたのに、、、となります。
逆に、売り手の利益を最大化するなら6000万円で成約させますが、買い手としては本当はもっと安く買えたのに、、、となります。
もし、売り手と買い手のそれぞれにアドバイザーがついて、交渉を重ねていけば、5500万円というフェアな価格に落ち着いたかもしれません。
どうしても仲介業者を利用しなければならない場合は、仲介業者に任せっきりではなく、仲介業者は交渉相手というスタンスで接する必要があります。