【ワークマン 土屋】データ分析ができると上司の意見を変えられる
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タイトルにあるこの「データ分析ができると上司の意見を変えられる」というのは、データ分析ができる人だったら誰でも変えられるのではなく、土屋さんがデータ分析を元に、現場も含めた意思決定の仕組みを作ったところにポイントがあります。
つまり、社内の議論をするためのプロトコルとして、エクセルベースのデータ分析というものを整備したということに大きなポイントがあると言え、データ分析をすれば良い、というわけではありません。
似たような取り組みとして思い出したのが、松井さんの下で改革が進んだ無印良品のマニュアル作りです。
これも店舗づくりのマニュアルを整備するのと同時に、マニュアル作成の仕方を整備し、それによって現場が取り組んだ改善を他店舗にも展開できる仕組みを作りました。
つまり、経営者の仕事で大事なことの一つは、このプロトコルを整備することにあると言えます。
プロトコルの整備という言葉を私なりに言い換えるならば、仕事のナラティヴ(解釈の枠組み)の縁を整備する仕事と言うこともできるかなと思いました。
人間の注意力には限界があります。だから、これはどこを見るか、どこを見ないか、という注意の幅を決める取り組みであるとも言えます。
逆にこれを定めなければ、それぞれがそれぞれバラバラな観点から現実を見るようになるので、その調整は非常に大変になります。
案外、凝り固まった現状認識を変えるためには、解釈の枠組みを自由にすることではなく、明確に解釈の枠組みを定めることにあるのではないかと思うのです。『素人が新しい業界に空手で乗り込んでいったら負けるに決まっています。全体を底上げし、データに基づき、決定が下せる会社を目指しました。』
本当にこの通り。土屋氏は、下記記事でも『経営の方向性が明確ではないまま、いきなり外部のデータサイエンティストに分析を頼んでも、「アパレル業界の特性みたいな誰も知っていることだけが証明される」(土屋氏)ためだ。』と言われているが、それと整合的だと思う。データの知見がなければそれさえもない、データの知見があっても業界の知見がなければ当たり前のことしか出てこない。
だからこそ、データリテラシーとビジネスリテラシーの融合が重要だと思う。両方で専門的にはならないが、一定データで議論できる、一定ビジネスで議論できる、両方がそうなるだけでスピードやデータの使い方が圧倒的に早くなる。
Excelレベルでできる=普通の人間が一丁目一番地のことをデータで表現・理解するには十分だと思う。自分のビジネスについてそれで語れることが、DXの大前提だと思う。
https://newspicks.com/news/5295098
これは朝倉さんが「論語と算盤と私」で書かれている『「理:心:運」の割合は「1:4:5」』にも通じると思う。コントロールできないものが多いからこそ、コントロールできるところをしっかりしなければ一層失敗確率は上がる。(もう連載から5年以上もたっていた…!)
https://newspicks.com/news/1135266/body/
https://newspicks.com/user/9153絶好調ワークマンの仕掛け人・土屋哲雄専務の連載第3回です。
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コロナ禍でますます苦境にあえぐアパレル各社を尻目に、成長を続ける作業服最大手のワークマン。2020年3月期の売上高は前期比37.8%増の923億円、営業利益は同41.7%増の192億円と大幅増収増益で、10期連続で最高益を更新。既存店売上高も35カ月連続で前年超え、第1四半期(4~6月)も2ケタ増収増益になった。
「低価格」と「プロ仕様の高機能」を武器に快進撃を続け、日本国内に限れば店舗数ではユニクロを抜く。大躍進のきっかけとなった、一般客向けに「編集」したアウトドアウエアの新業態「ワークマンプラス」の仕掛け人こそ、ワークマンの土屋哲雄専務だ。
土屋氏は創業家の出身で、東大卒。三井物産で30年以上、商社マンとして活躍した後、2012年ワークマンに入社した。「エクセル」をフル活用する「データ経営」と「しない経営」で社内改革を推進、現在の新生ワークマンへと導いた。残業しない、期限は設定しない、ノルマは課さない……。ワークマンのガツガツしない“非常識”な経営、土屋氏の哲学を明らかにする。(全7回)
■第1回 「データ経営」と「しない経営」で快進撃
■第2回 100億売る人と1000億売る人は何が違うのか?
■第3回 データ分析ができると上司の意見を変えられる
■第4回 接客、レジ締め、ノルマなし。ノウハウ不要
■第5回 残業なし、期限なし、だからストレスなし
■第6回 上司の意見は半分以上間違っている
■第7回 宣伝しなくても自然に売れる方法