【実体験】事業再生に「ティール組織」を導入してみた
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振り返ると自分自身が誰かの相談を聞く代わりに、
無意識に何かの見返りを求めているのかも。
傾聴、関心に関心を持つ→覚悟を決めてその人との対話の中において、空間と時間を委ねることか。これはいいね!意識してみよう。
注目のコメント
樋口耕太郎です。どなたかのお役に立つかと思い、重要なことを補足させてください。
私が沖縄のサンマリーナホテルを「ティール組織」で再生したのは、2004年から2005年にかけて。フレデリック・ラルーがティール組織の概念をまとめたのが2014年ですので、それより10年くらい前の話です。もちろん私はティールの概念も、そんなことが社会に存在し得るということも知りませんでした。
「愛の経営」には、理論も前例も存在しませんので、私が参考にしたものもほとんどありませんでした。ですから、好むと好まざるとに関わらず、私に残された唯一の選択肢は、自分の直感に従って、心が「これだ!」と思うものを、大量の試行錯誤を通じて実行していくことだけでした。
そのときに起こった、本当にたくさんのことを振り返り、そこから本質と思われるものを抽出して言語化すると、結果として、「このようなことが起こった」と後付けで説明できているだけなのです。
その体験から得た私の感覚ですが、ティール組織という概念は、おそらくノウハウではありませんし、再生のルールでもありませんし、ひょっとしたら経営の本質とも違うと思います。
これまでの組織の変化と、最近の「革新的」かつ人間的な経営方針が、発達心理学の理論と重なることに気がついたラルーが、「人間の意識の進化」というメッセージ性の強い枠組みを使って、過去と現在の「組織の進化」を、ある意味後づけで説明している、ということではないかと(私は)捉えています。
ですから、「ティールを目指そう」「再生の方法を学ぼう」という感覚で、この概念を捉えると、人を自由にするはずの概念を使って、人を閉じ込めてしまうことになるかもしれません。
人間を大切にすることがティールの本質であるならば、「いま、目の前にいる人を、本当の意味で大切にするとは、自分にとってどういう意味だろう?」 それを何度も問いながら、自分を愛するということ、他人を愛するということの意味を自分で形にしていく。
その結果、自分(経営者)の人間力の水準まで、組織が進化することになるでしょう。その様子が、後から理論として言語で説明される、ということだと思います。
ティールとは、経営者の生き方そのものであり、自分の感情、他人の感情に、恐れず向き合い続ける姿勢そのものなのだと思います。明日はこれがテーマです。第1回で「愛以外に経済や経営、ビジネス、政治問題を解決する方法はない」と断言されていた樋口さん。今回は「愛」を実践するための方法を伺いました。
「聞く」と「傾聴」の違い、リーダーに求められること、ティール組織の解説など。この取材を通じてはじめて知ったことが多く、目から鱗の連続でした。
リーダーでなくても、個々人で実践できることが詰まっています。特に、上司や親の立場である方には、お読みいただきたい1本です。
私自身も子育て中なのですが、「『人に関心を注ぐこと』と『”人の関心”に関心を注ぐこと』は大きく異なる」と聞き、私は「子の関心」に関心を注げているだろうか……と反省しました。いつも上の空で聞いていたポケモンキャラの話、ちゃんと傾聴しよう。
「愛の経営」を提唱している樋口さんの壮大な思想を、ぜひお楽しみいただけたら幸いです!「“人”に関心を注ぐこと」と「“人の関心”に、関心を注ぐこと」はとっても腹落ちしました。改めて、上司/親/教師の独りよがりは怖いと思います。「せっかく、あなたのためにやっているのに」と、だれもうれしくない善意を押し付けてしまうことになるんでしょう。