全事業で減収減益コロナで「東急」が直面する「厳しすぎる現実」
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東急電鉄に乗車する人が激減したという意味で衝撃的な決算になったわけですが、人口減少社会になることは当然東急グループも想定済み。
来たるべき人口減少社会に備えて、今このタイミングでいろんなシミュレーションができていると捉えればコロナ禍の副産物といえるでしょう。実際、JR各社も実践していると聞いています。
ところで、日本でも有数の人気エリアを走る東急東横線と東急田園都市線。同じ代表的な東急沿線ですが、両者はまるで違います。
日本の上場企業の中でももっとも盛り上がる株主総会のひとつと言われている東急。個人株主になっている沿線住民から出るわ出るわのおもしろい質問やイチャモンのオンパレード。
東横線沿線の住民は「素敵な東急沿線に住まわせていただいている」と考える人(上流階級意識)が多いのに対して、田園都市線沿線の住民は「我々が東急沿線を育ててやっている」と考える人(開拓者意識)が多いんです。
そんな特徴が株主総会の発言から浮かび上がってきます。渋谷という街のオフィス立地としての魅力は相対的に優位にあると考えますので、一時的にオフィステナントが退去したとしても埋め戻しできる可能性が高い気がします。むしろ、今まで渋谷に入れずにやむなく近隣にオフィスを構えていた企業からすると、渋谷に移転するチャンスでもあります(しかも、今までよりも必要な床面積は小さくなるはず)ので、こうしたテナントが渋谷に移転する流れが出てくると、近隣のオフィスエリアの方が中長期的には厳しい局面を迎えるのではないでしょうか。
東急に関して言えば、東急不動産との事業の棲み分けが分かりにくく、経営をより効率的にできる余地がかなり残されている印象もありますので、これを機にグループ再編という動きがあっても良いと考えています。東急が厳しいなら、京王や小田急はもっと厳しいでしょう。
東急沿線はやはり憧れの街並が多く価格が下がればよその沿線から移転して来ます。これは住宅もオフィスも同じ。
ただ、今後の再開発に関して、コロナ前の賃料で収支を組み立ててるでしょうから、事業計画の組み直しなどは必要になると思いますが、既に渋谷のメイン開発は終了しているので、大きな影響があるとは思えません。