嘘のような本当の話、大阪知事発言でうがい薬消える-明治株急伸
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選択しているユーザー
イソジンガーグル液7%(ムンディファーマ)
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00056449
禁忌
次の患者には使用しないこと
本剤又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者
慎重投与
甲状腺機能に異常のある患者[血中ヨウ素の調節ができず甲状腺ホルモン関連物質に影響を与えるおそれがある。]
副作用
副作用発現状況の概要
総症例1,166例中副作用発現は11例0.94%であり、その内容は嘔気4例、口内刺激3例、その他不快感、口内のあれ、口腔粘膜びらん、口腔内灼熱感各1例であった。(再評価結果)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、不快感、浮腫、潮紅、蕁麻疹等)(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
副作用/0.1〜5%未満/0.1%未満
過敏症注)/−/発疹等
口腔/口腔、咽頭の刺激感等/口腔粘膜びらん、口中のあれ等
消化器/悪心等/−
その他/−/不快感
注)症状があらわれた場合には、使用を中止すること。
適用上の注意
使用部位
含嗽用だけに使用させること。
使用時
用時希釈して使用させること。
抜歯後等の口腔創傷の場合、血餅の形成が阻害されると考えられる時期には、はげしい洗口を避けさせること。
眼に入らないように注意すること。入った場合には、水でよく洗い流すこと。
銀を含有する補綴物等が変色することがある。
注目のコメント
医療者のなかですごく有名な研究結果があります。
水によるうがい群と、ポビドンヨード(イソジン)によるうがい群、通常ケア群(対照)にランダム化した群で、60日間でどれくらい風邪のリスクが変わるか?という研究です。
すると、水のみのうがいでは対象よりも風邪にかかる確率が下がったものの、ポピドンヨード群は下がらなかったという結果でした。
▶American journal of preventive medicine 2005; 29:302-7.
水のみのうがいのほうが有効だったということです。
口腔内の常在菌を破壊したり、粘膜の障害をきたすことで『過ぎたるは及ばざるが如し』の状況になる可能性はあるでしょう。
ただし、新型コロナに関して、『予防的・定期的なポビドンヨードの使用』が有効かどうかは現在2本の研究が進行しているようです。
▶https://www.clinicaltrialsregister.eu/ctr-search/trial/2020-001721-31/GB
▶https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04364802
これらは予防的な方法になりますが、『悪化を防ぐか』はまた別のテーマになります。
ここで注意したいのは、
『口腔内の検体でPCR検査が陰性化すること』と、
『その後、新型コロナによる悪化が防がれるか』は、
似て非なるものだということです。
それは、予防におけるポビドンヨードうがいが、水のみのうがいに負けてしまったことからも明らかでしょう。
ポビドンヨードは、新型コロナ選択して減らしているわけではなく、粘膜を痛めつつ、多くの菌も一緒になぎ倒しているということだからです。
体調を崩した高齢者に対する『口腔内ケア』は重要です。
COVID-19に限らず、歯磨きなどで口腔内の清潔を保つと、肺炎などのリスクが下がります。
ですので、PCR検査を陰性化させることが目的とせず、口腔内の清潔を保つことの方を優先して、丁寧にうがいしたり歯磨きをしたりのほうがいいのではと感じました。話題になっているので個人的な考察をコメントさせていただきます。
面白くない結論から言うと、今回の Covid-19 に対してかなり強いエビデンスはまだ存在しないのではないかと思っています。
ヨードに関しては、かぜに対する前向きの研究で水道水と比較した京都大学の研究が有名です。追跡期間も2ヶ月というランダム化比較試験でかつ水うがいの方が良い結果だったので話題になりました。
Prevention of Upper Respiratory Tract Infections by Gargling
ボランティア 387 名をランダムに「水道水でうがい」「うがい薬(ヨード液)でうがい」「特にうがいをしない」という 3 グループでわりつけ、かぜが発症するかどうかを検証しています。
ランダム化比較試験なのでエビデンスは強いですが、COVID-19でどうかは直接的にはわかりません。
わからないので、効かないとも断言できません。それよりもリスクとして心配するのは、他の報告の情報です。いずれも、盲信してヒステリックに過剰は良くないと推測されます。
•他の細菌が覆っていることで守られているバリアーのバランスを崩すかもしれない
•ヨードの取り込みがうがいで報告されているのでそちらの悪影響リスク上昇
•細胞表面のバリアー機能を持った表面タンパク質を変性させる可能性
なども議論されます。一方、例えば、ヨードに関するウィルスに対する不活化効果に関して小林製薬のデータなどが見つかり、混乱する方もいると思います。
こちらの実験は15秒間、ヨードを含む試験物質に暴露して、ウイルスがその後検出できるか否かを試験しているもので、良いデータですが正確に言えば、上記で列挙したような事象含めて検証できないデータです。この試験結果はそのまま理解するべきで、裸のウイルスに試験物質をそのままかけたら15秒で不活化できたのであり、それでうがいをしたことによって、結果的にヒトの"感染"が防げるかは未知です。
個人的に、前向き調査でヨードとCOVID-19を検証できる前向きは時間的にもないので、今ある情報で個々人が信じる行動を選択する状況と思います。自分は、メルカリで4,5倍の値段のものを買うことは確実にないというのと、関連株価はこの商品の利益から言えば明らかに上がり過ぎで、むしろ跳ね返り心配します。今回の発表は様々な点で危うさを感じます。
1つ目に、研究の信憑性です。「AがBに効果がある」という因果関係を示すためには、洗練された研究デザインで臨床研究を行う必要があります。現在のところ詳しい研究デザインや研究結果は発表されておらず、何とも言えません。例えば、ウイルスが消失したというのを唾液のPCR検査の陰転化率で検証したとすれば、口腔内が消毒されたことで「偽陰性」になった可能性が考えられます。新型コロナウイルスは肺などの下気道に親和性が高いことが知られており、口の中だけ消毒しても意味がありません。さらに、もしそうだとすればイソジンうがいをしている人がPCR検査を受けた場合「偽陰性」になる可能性があり、その人達が感染を広めることに繋がります。
2つ目に、科学的に検証が不十分な結果を、行政側があたかも因果関係があるかのようなメッセージで発することで国民に誤解を与える可能性があります。初期にアビガンについて安倍首相が発表していた時も同様の危うさを感じました。
3つ目に、ある商品の効果を宣伝することで本当に必要な場所に届かなくなってしまいます。イソジン自体は手術時の消毒など、医療現場で広く使われているもので、買い占めなどが起こると手術などに影響が出る可能性があります。