米国の成人の大半はニュースをソーシャルメディアに頼っている
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この調査の大きなポイントは、「何でニュースを読んでいるか」と、「知識」の関係を調べている点です。
SNS以外の選択肢として挙げられている新聞、テレビ、ニュースサイトはいずれも、情報を自分で取りに行く必要があり、そこには自分の関心事ではないコンテンツも並んでいます。そこからどれを読むかを自分で「選ぶ」という能動的な行為を伴いますが、SNSはより受動的で、かつタイムラインに載るまでにその人の興味関心に沿った「選別」が行われている、という違い。この姿勢の違いが、社会への関心度や知識の差を生んでいる可能性はうかがえます。
ただこれだけSNSが世の中に広がりほぼインフラと化している現在、SNSを悪者扱いするだけでは何も変わりません。「SNSだけに頼り切らない情報摂取の意識」をどう作っていくか、というが課題なのだと思います。人はなぜ陰謀論を信じるのかといえば、出口治明さんが、『陰謀の日本中世史 』の書評で書いていたことを思い出します。
「人はなぜ陰謀論を信じるのか。それは「単純明快で分かりやすく」、「歴史の真実を知っているという優越感を抱ける」からであり、インテリほど騙されやすいのである。その点、陰謀論は疑似科学に似ている」
メディアリテラシーを高める方法って、意外と知られていないのですよね。メディアが4マスしか無かった時代には、一定のクオリティコントロールのもとで少ない情報を大勢の人が得ていた。ネットやSNSが普及すると、情報の供給量が爆発的に増え、同時にユーザーも能動的に情報を集めるようになった。
結果、皆が違うものを見て違う頭を作っていくことになるので、政治や社会でも「分断」と言われるような現象が起きたり、過激な言論が熱狂的な支持を得たりする。
会社などの組織でも、「共通言語」が少ない組織はコミュニケーションが不活発で、必要な情報がスムーズに共有されず、結果うまくいかない事例は多い。その現象がもっと大きな規模で、それこそ社会的な規模で起きている結果が今のこの状況だ、と捉えるとわかりやすい。
社会に軋みが走っていろんなことがうまくいかない世の中になっているように見えるのは、偶然ではなく、メディアなどの情報流通構造が根本から変わり始めた結果であると捉えている。