ブロックチェーンでWin-Winのプラスチックリサイクルを実現。ノルウェーの"Empower"
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日本でボランティア活動をしたことがある人又は興味のある人のうち、具体的にやってみたことのある活動又はやってみたい活動は感覚値ですがゴミ拾いが多い傾向にありました。
ゴミ拾いをすること自体ももちろん大切ですが、そもそもポイ捨てしないような状況を作ることが必要なのと、ボランティア参加者が拾うことに満足感を得るだけでなく、その後のゴミの行く末まで知ることができるような施策が必要だと思う。
そういう意味でこのWin-Win施策はインセンティブがあったりでわかりやすいと同時にリサイクル意識を持続させるにはもってこいの入り口施策だと感じる。
注目のコメント
プラスチックは回収する仕組みだけではリサイクルできません。
洗浄が必要となります。また、素材・色によってはリサイクルしにくいものもあります。
マテリアル to マテリアルのリサイクルを実現するためには、素材を含め、製品のデザイン段階からリサイクルしやすいものに変えていく必要があります。プラスチックを集めると資源にできるという認識を一般に広め、再生までのプロセスを可視化させることにより興味を掻き立て、更なる行動に繋げるという点が面白いです。
empowerで特筆すべき機能は、プラスチック再生プロセスのトレーサビリティ。これは資源としてマテリアルリサイクルするからこそ、魅力的な機能となります。プラスチックごみの多くを輸出する場合は、それ以降は追うことはできませんし、「焼却されて残渣は路盤材になりました」と表示されてもやり甲斐を感じにくく、利用拡大が望みにくいでしょう。まずは、再生材利用のための下地を整える必要があります。
なお、こういったプラスチック回収システムは、一時期実証試験的に取り組まれても、再生材こ売却利益のみで運営をする場合などでは、プラスチックの市況変動などで立ち行かなくなり、結局持続的に活動できるシステムとならずに頓挫することも多いです。
しかし公式Webページを確認すると、empowerはプラスチック製造利用事業者や個人から毎月定額で資金拠出を誘い、「従業員1名につき5ドルを拠出すれば、あなたの会社はプラスチック収支がプラスになりますよ(=今まで製造利用したプラスチックが相殺される形になりますよ)」と呼びかけ、これを運営資金としているわけです。プラスチックを製造利用したことを打ち消したいという思いが事業者になければ、自主的にシステムは動きませんので、環境意識の高い事業者が多くないと実現が難しいモデルといえそうです。
また、ノルウェーの政策にも着目すると、プラスチック製造販売業者に、環境税を課すことを示唆したうえで、全国のリサイクル率が95%を超えると環境税が免除になるとしています。
プラスチックの循環は、リサイクルしやすい製品設計と、再生材の積極的な利用が鍵となっており、製造販売業者の協力が不可欠です。環境税をちらつかせることにより、半ば義務的な形でこれらの活動を活発化させていることになります。これは世界的にも珍しく興味深い政策です。