シベリアで38.0℃観測、北極圏史上もっとも高温か
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北極圏で夏の京都のような38℃! びっくりですね。記事にも書かれている通り、永久凍土が溶けることでの影響が気になります。
ただ、このニュースでは地球温暖化が原因であるかどうかは言及されていません。そもそもそれぞれの異常気象と地球温暖化の関係を検証するには時間がかかります。異常気象のニュースを見るとどうしても「温暖化のせいで地球上で何やら恐ろしいことが起こっている」と怖くなってしまうかもしれませんが、むやみに騒ぐのはやめたほうがよいと思います。5月には西シベリアからウラル地方で記録的な高温となりましたが、今回は東側にある中央シベリアから東シベリア地方で高温となっています。ウラル地方にあった高気圧がシベリアにやってきて停滞していることで、上空から暖かい空気がゆっくりと下りてくるので全般に気温が上がりやすいという傾向が出ています。日本の真夏、太平洋高気圧に覆われているときと仕組みは同じです。5月の平均気温が平年に比べ10℃近く高くなった地点もあり、高気圧の停滞により記録的な高温となっていることは事実です。
ベルホヤンスクは実は気象を学んだ人間には最低気温の記録が出た町として有名で、1885年に-68℃、1892年に-69.8℃を記録したとして、同じシベリアのオイミャコンとともに「寒い町」として知られています。地形が川沿いで盆地のようになっていることもあり、冬は寒いものの夏も意外と気温は高く、6月の最高気温の平均は20℃となっています。そこへ、平年比10℃以上の高温がやってくれば最高気温はやすやすと30℃を超えてしまうという背景になっています。ただし空気は乾いており、さすがにシベリアで日本の真夏のような蒸し暑さとなっているわけではありません。
しかしながら高温による永久凍土溶解の問題は深刻とみられ、凍土に含まれるメタンガスなど温室効果ガスの放出が目下最大の問題です。ただでさえ二酸化炭素濃度は増加の一途ですので、その二酸化炭素よりも何十倍も強力といわれる温室効果ガスであるメタンガスが増えるのは極力避けなければならないのですが、こうなったら地球工学的手法(地球に巨大な傘をかけたり、二酸化炭素を高圧ガスにして油田やガス田に戻すなど)に訴えるしかないのかもしれません。これは本当に深刻な事態。これまで機能していた気候の制御力が失われてしまったようにしか思えません。
永久凍土からの病原菌の放出も心配ですが、それ以上に、温室効果ガスの放出とそれによる気温上昇の加速の悪循環が心配です。