【MB】アーバンリサーチ、仕入れ「全キャンセル」問題の本質
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注目のコメント
正にOEM・DOM事業を行っている当事者です。中国を中心とした生産国の原材料と人件費の高騰、国内マーケットの販売価格の低下、ユニクロ並びにGUの台頭から、日本のOEMメーカーは商売獲得と利益確保が難しくなり、ブランドとの力差は一層広がっています。ブランドの言うことを聞かないと簡単に他社へ発注が流れるので常にマウントをとられる商売形態です。
加えて、それなりの規模のブランドを持つ会社(バロックジャパンなど)は日本のOEMメーカーに依頼することによる企画段階の他社への情報漏洩のリスクや、一層の利益確保のため、自社で生産機能をもちながら、日本のOEMメーカーを経由せず直接中国のメーカーに発注する、いわゆる直接貿易が数年前から加速しています。(弊社はこの直接貿易を中国企業と組んで行っています。)
結果、日本のOEMメーカーは益々取引先が減り、売上確保のためには言うことを聞かざるを得なくなっています。
よって、MBさんの様な影響力がある人が行動を起こしてくれることは業界にとっては非常にありがたい話です。
ちなみに、記事内のOEMとODMの定義が間違っています。OEMはデザインまでブランドから指示をもらって生産することいい、ODMはブランド側にメーカーがデザイン提案までおこなって受注生産することを言います。
この数年、このODMが加速したことにより、メーカーが色んなブランドに同じデザインを提案したことによる商品の同質化が、近年洋服が売れなくなった原因の1つでもあります。経緯までは見えないので明言できない部分はりますが、緊急時には厳しい判断は必要ですが、丁寧なコミュニケーションは欠かせません。MBさんの素早さはさすがです!毎日毎日膨大なコンテンツを発信するMBさんの数年間ブレない姿勢がファンを作り、個人としてのブランドになっているのでしょう。
一方で「誰が在庫を持つか?」というのは、小売り側から生産側に移行してきたというのは間違いありません。きつい時こそ、会社のスタンスが試され、今後の企業の信頼に通じるはずです。
私もちょっと調べてみます。コロナ禍で店舗閉鎖に追い込まれたアパレル企業の中には、直前で仕入れを全てキャンセルした企業も存在します。
明らかな「下請けいじめ」の構造は、いつから続いていたのか、背景には何が存在するのか。カリスマバイヤーのMBさんによる寄稿で解説します。
今回の全キャンセル問題をはじめ、在庫を焼却処分することなど、アパレル業界には、傍からみれば不自然な慣習が残っています。解決する方法の一つに、私たち消費者がもっと普段から身に付ける衣服について興味を持つことが挙げられるでしょう。
大量生産・消費を前提にしたモデルから、個人個人の意識の高まりがつくる市場へ。今はその転換期なのかもしれません。