視力に依存せず映像が見える“最先端メガネ”がARを日常にする
コメント
注目のコメント
なるほど.目の見える人への付加価値とするよりも,視覚障害者のためのサポートとして使った方が,普及は早いかもしれないと思いました.
視覚障害者というと全盲の方をイメージしがちですが,全盲の方は1割くらいで,実はロービジョンという完全に見えないわけではないけれど,例えば視野がものすごく狭い,というような方が圧倒的に多いんだそうです.
点字の識字率もやっぱり1割くらいで,視覚障害者の9割は点字を読めない.なので,実はそういったロービジョンの方はスマホを使っていたりするとのこと.
障害の状況にもよるのだろうと思いますが,こういった目のレンズ系に左右されない情報提示装置は,なので,そのような視覚障害を持っている人にはかなりマッチするのだろうと思います.QDレーザさんの網膜投影型ディスプレイは以前試させていただいたことがありますが、目のピント位置や視力に依存せずに映像が目に入る体験は、ディスプレイの固定概念を覆す衝撃的な体験でした。
HMD (ヘッドマウントディスプレイ) に用いられる光学系の代表例としては、①網膜投影ディスプレイ、②接眼光学系による HMD、③ホログラフィック光学素子による HMD、④頭部搭載型プロジェクタ (HMPD: Head Mounted Projective Display) があり、記事にある RETISSA Display(レティッサ・ディスプレイ)は①網膜投影ディスプレイに該当するかと思います。
【網膜投影ディスプレイについて】
弱レーザ光で網膜に直接映像を提示するディスプレイ。水晶体の屈折力を用いないため視距離によらず鮮明な映像を観察できる利点があり、屋外用途に向きます。デメリットとしては、射出瞳が小さい点が一般には挙げられます。
本記事では菅原充社長のコメント「網膜に映像を映す仕組みとしては理論面、技術面ともに全貌を把握して製品化しました。すでに完成しています」から商用化に向けて着実に進んでいるデバイスの様で、大変期待が持てます。
参考論文:
網膜投影立体ディスプレイ - 応用物理学会
https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/31-03-gijutsu4.pdf
バーチャルリアリティにおける視覚提示技術
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoft/19/4/19_318/_pdf
ARのハードウェア AR 用ヘッドマウントディスプレイ技術の動向と展望
https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?item_id=69301&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1