【吉野彰の原点】「科学の面白さ」は、ロウソクが教えてくれる
NewsPicks編集部
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『ロウソクの科学』は岩波から出ていますが、その名著をカラー写真とともに解説した『「ロウソクの科学」が教えてくれること』は分かりやすくおススメです。子どもには、『ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科 』を。実際に自分の子どもに渡しました。
マイケル・ファラデーと言えば、携帯電話など今では当たり前に日常生活で使われている電磁波を扱う電磁気学の基礎理論に大きく貢献した歴史上の科学者の一人。磁場が変化すると電流が流れるという電磁誘導の法則を発見した(※)。磁場と電気という当時は全く異なる現象と考えられていたものを繋げて(根底では同じものではないかとみなして)物理学的に整合性のある理論を構築したのである。後にマクスウェルがファラデーの電磁誘導の法則を取り込み、有名なマクスウェル方程式へと雄飛させるのだが(マクスウェル方程式が特殊相対性理論で出てくるローレンツ不変性を満たしていることを知ると感動すら覚える)。電磁気学は、物理学の研究者として眺めて見ても、改めて創造性とは何かを教えてくれる良い学問であると思う。
【※】電磁誘導の法則の発見者については諸説ある。「宇宙を支配する法則のうち、ロウソクが見せてくれる現象に関わりがないものは一つもない」というファラデーの言葉に興味津々。こういわれると、何の変哲もないロウソクを見る目が変わります。
ファラデーの実験と講演の締めの言葉は「1本のロウソクにたとえられるのにふさわしい人になってほしい」。
全く関係がない話ですが、人生はロウソクのようなモノ、という設定の物語があります。落語の「死神」もそのひとつ。死神が現れたら、この「ロウソクの科学」を語ってやろうと思います。