ヘルステック企業が3年で37億円の資金調達。なぜ、調剤薬局なのか?
コメント
注目のコメント
元薬局薬剤師の経験ですが、記載があるように、薬歴の入力は薬剤師にとってそれなりの負担です。
といっても、医師で言えばカルテを書くようなものなので、手間や負担やら言うものではなく、そもそも書かなくてはいけないものなのですが 汗
ITを利用して効率化していくのは賛成ですが、そこから新たな付加価値を薬剤師から患者に提供できるかについては、薬剤師個々の資質や、やる気に依存すると思いますので、吉と出るか凶と出るか。
現在は医学部と同じ6年制とは言っても、医師と対等に話ができる薬剤師は少数派だと思いますし、治療に携わる責任感も必ずしも高いとは言えないと思います。
まぁ、医師の裁量権が強すぎるので、明らかな間違いがない限り、薬剤師が口を挟む余地がない状況ですが。
また、調剤薬局という構造が医療費の増加に繋がってしまっていると言った構造的な問題もありますしね。今後調剤薬局はどうなっていくんでしょうね。かなりの生存競争に晒されそうです。
海外のように、優秀な薬剤師が処方権を持てるようになれば、また変わるんでしょうが。日本では無理でしょうね。レガシーな業界のデジタルトランスフォメーションは、無為に古い構造、プレーヤーを壊せば良いというものではない。既存のプレーヤーの変革を支援しつつ、ユーザへの価値も増大させ、既存のプレーヤーと協働して業界全体としての価値を増すことこそが、正攻法。
という点では、カケハシはそれを地で行っている。薬局、薬剤師の業務を効率化し、患者さんに適切なアドバイスをし、三方良しを実現している。医師としてこの取り組み、早く全国に広まってほしいと思う限りです。
患者さんや若い方から時折「薬剤師なんて、なんでいるのかわからない」などの声が聞かれることがあります。非常に残念です。
薬剤師は医療系資格の中で「唯一」、「法律上」医師の行為に異論を唱えることができる資格です。(無論、多くの職種が様々な意見を出し、医師はそれを参考に方針を決めます。)
薬剤師の「疑義照会」は薬剤師が「薬のプロフェッショナル」であることに立脚しており、現在では6年制の薬学部を卒業した者にしか与えられない権限です。(6年制大学も医学部と薬学部、そして歯学部と獣医学部のみです)
医師は様々な情報を扱い、非常に多くの処方を出します。しかしその多さからミスも起きることがあります。また患者が他院や他医師から処方された薬まで全て聞き取り、把握する時間は正直ありません。こと薬に関するミスは患者の健康問題に直結し、飲み合わせの問題などはやり過ごされることがあってはなりません。
この時、薬剤師はその患者の「薬」のプロとして、飲み合わせから副作用管理、更には剤形(粉か粒かなど)、飲むタイミングなどの管理や指導を行います。飲み合わせに問題があり、処方自体の変更が必要ならば、医師にその処方を直すように進言する「疑義照会」が行われ、医師はこれを無視してはなりません。
そしてこの仕事には幾万とある薬剤の性質、体内動態、副作用、相互作用などを把握している必要があるのです。医師は薬剤の効能や副作用には詳しいですが、体内動態や相互作用までは完全には頭に入っていません。これらの情報や薬歴の整理を行い、処方するのが薬剤師の仕事であり、非常に専門性が高いものです。総合病院で勤務する私は、毎度薬剤師に頭が上がりませんし、扱いの難しい薬の使用時には薬剤師にアドバイスを求めます。無論、非常に詳しい答えを返してくださいます。
このヘルステックを通じて、患者にも大きな利益があると思いますが、何より薬剤師の「存在意義・価値」が一般市井に理解されることを切に願います。