【成功のカギ】サブスクリプションブームの落とし穴
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かつて企業と顧客の関係は、商品やサービスを「売って終わり」でした。一方サブスクリプションは、顧客との関係の「始まり」に過ぎません。サービス利用が継続するほどに、顧客との関係は深く、密に、多面的になっていくことが求められていきます。
私が、マーケティングの授業を行う際に、特にこだわっていることが三つあります。本書執筆においても、同じことを念頭に置きました。
一つめは、「マーケティングを正しく理解してほしい」ということ。マーケティングにまつわる誤解に、「よくわからないもの」「曖昧なもの」「目先のことではない」「売上に関係ない」「一部のセクションの仕事」といったものがあります。しかし、実際はそうではありません。マーケティングとは売上に直結しているもの、マーケティングセクション以外の部署も活用できるものであり、非常に実務的な「使える」知識です。
二つめは、「マーケティング解釈ができるようになってほしい」ということ。マーケティング解釈とは、商品・サービスやテレビCMなどに触れた際に「マーケティング上、どんな意味があるのか」を、STPや4Cといったフレームワークを用いて読み解くことです。
三つめは、「『マーケティングを使えるようになってみたい』と思ってほしい」ということ。ここでいう「マーケティングを使う」とは、たとえば自分が企画立案した新商品についてSTPや4Pを組んでみる、といったことです。私が教えている立教大学ビジネススクールの授業では、最終回などにおいて、自分が考えた新商品についてSTPと4Pなどを設計し、プレゼンテーションしてもらっています。かの有名なピーター・ドラッカー博士の名言の一つに、「マーケティングの理想は、販売を不要にすること」があります。
今回のテーマの一つは「サブスクリプション」。猫も杓子もサブスクとも言える現状、取材を通じて得た気づきは、「売りたいという呪縛」からの脱却が鍵を握ることでした。
興味深いのはドラッカー教授が晩年、eコマースに着目していたこと。ただ、eコマース自体は販売形態が従来と違うだけで、真のイノベーションではないと指摘していました。
氏はシェアリングの普及までは予測していなかったはずです。ですが、シェアリング社会やサブスクの広がりにより消費のあり方が根本的に変化する、そうした大局的な変化が見越していたのかもしれません。サブスクリプションは顧客との新しい関係性。
メディアにも、無料と有料がありますが、その関係性には大きな違いがあります。
NewsPicksにも無料の関係と、1500円の関係、5000円の関係があり、どの関係を選ぶかは顧客次第。
お金を払うという行為はそもそも関係性の作り方のひとつ。