仙台の実情から見る「地方×リノベ」のリアル - 徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと
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丹野さんは、僕が今月に一回は仙台まで行き、事業のアドバイザーをやっている仙台のリノベカンパニーを目指すN's createの代表です。彼のコメントにもある通り、リノベの世界はまずは業界が変わらなくてはならない側面がとても多いです。既存のバリューチェーンや仕組みでは、リノベーションをソリューションとする住宅供給が、お客様に対してまだまだ対応できてないように感じます。そういう意味では、事業者としては難易度も高く不動産から建築そして金融まで幅広い知識とそれらを掛け合わせたコンサルティング能力が必要です。これらを、まずは業界が認識するところからがスタートです。
注目のコメント
私自身、業界のど真ん中に身を置く人間ですが、「リノベ関係者」という字面を初めて目にしました。笑
私の会社も、駆け出しの頃は不動産会社の再販物件をよくリノベーションしていましたが、現在は再販の施工は一切請負っていません。
理由は大きく4つ。
ひとつは、再販を行う不動産会社が買取後直ぐに売価を設定して広告を打つ為、工事予算が予め決まっていること。営業担当の多くは工事の積算ができない為、地域相場から売価を設定し、購入原価と会社利益を差し引いて余った分が工事費となります。あくまでも弊社の場合ですが、当時付き合っていた再販業者の現場はフル材工(キッチンやフローリングなどの材料持ち)で利益率10%前後でした。
次に、手離れの悪さです。弊社は解体からクリーニングまで一貫した施工を請負っていますが、70㎡程度のマンションをスケルトンから施工すると、完工までの工期は45〜60日程度です。弊社の請負金額が500万円だとすれば60日で50万円の上がりでは割に合わないですよね。
3つ目は代わり映えのないデザイン性です。再販業者は回転率に拘る為、業務の効率化を意識することで毎回同じ仕様で下請けに丸投げしてしまいがちです。間取りこそ違えど、トレンドをベースとした同じ物件が溢れています。
最後に、営業担当のリフォーム・リノベーションに対するリテラシーの欠乏です。安く仕入れられる物件には安いなりの理由が必ずあり、特にマンションの場合、躯体の劣化など工事で改修しきれないケースは多々あります。新規で追い焚き配管を通す事すら困難な物件があるのです。そうした購入前の予備知識を営業担当が身につける事は重要です。
まだ民間資格ではありますが「ホームインスペクター」と呼ばれる中古物件の診断士が存在していて、彼らは不動産売買において完全に中立な立場で中古物件の瑕疵について診断と助言を行います。
インスペクターの存在意義が確立され、不動産会社とのコミュニケーションを円滑に行うことが出来れば、積極的に再販物件を施工する工務店が増えると思います。仙台でリノベーション住宅に住みながら東京の仕事をするというのが、実はすごくコスパが良いのではないかと思います。