吉本興業、全芸人・タレントと共同確認書交わす方針 エージェント制度契約制度も導入へ
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注目のコメント
第三者による「経営アドバイザリー委員会」が始まりました。岡本社長らも出席し、ぼくも傍聴しました。
本日は主に反社対応と契約について審議。
座長ブリーフィングで報告されたとおり、反社対応に関しては吉本はよく対応していると評価されつつ、タレントの直営業の反社チェック対策が論じられました。
契約については、全芸人と共同確認書という契約書を交わすこと、希望者には専属マネジメント契約書や(日本初となる)専属エージェント契約書も交わすことが論じられました。ギャラの料率なども明確にしていく方向。
本委員会は迅速に提言し、会社も迅速に受け入れる意向。ぼくは社外取締役としてその実行を確実にしていく役割を果たそうと思います。大変な仕事になりますが、107年の吉本が次の100年に向かう機会になればと考えます。突っ込みどころが多い内容ですね。
まず「共同確認書」という書類ですが、契約実務ではめったにお目にかかれません。実際、Googleで「”共同確認書” -吉本」で検索しても、わずか376件しかヒットしません。
https://bit.ly/2YzZlwe
つまり、今回の吉本の件を除外すれば、「共同確認書」という書類は、少なくともネット上ではほとんど認知されていない表現であるということです。
なぜ、普通に「契約書」にしなかったのでしょうか?
次に、「専属エージェント契約形態を導入する」という内容です。「導入する」ということは、今までは専属エージェント契約形態ではなかったことを意味します。
では、今までの契約形態は何だったのでしょうか?その問題点は有耶無耶にしたままでしょうか?
さらに、関係者のコメントなので言及しても差し支えないと思いますが、中村プロのコメントに「(日本初となる)専属エージェント契約書」とありますが、本当に日本初ですか?
通常の芸能事務所と芸人・タレントとの契約は、その名称はともかく、内容としては、専属的な契約がほとんどです。そうでないと、事務所側のマネジメント・管理(特にスケジュールの把握・管理)に支障がでますので。
この点から、非専属的な契約はまずありません。
そのうえで、他の芸能事務所では、専属エージェント契約書の取り交わしは、いくらでもしています(もっとも、定義次第ですが…)。どの辺が「日本初」なのでしょうか?
「経営アドバイザリー委員会」が「日本初」と言い張っているのかもしれませんが、だとすれば、あまりにも競合他社の動向を知らなさ過ぎと言われてもしかたないでしょう。西川のりお談
「ウチらは芸人や。サラリーマンちゃう。夢を追ってこの世界に入ってきたんや。うまく行ったら一攫千金やけど、うまく行かんかったら野垂れ死に。そういう覚悟でこの世界入ったんちゃうんか。それなのに、最低限の賃金保障をしろなんておかしな話ですよ。それやったら、お笑い辞めてサラリーマンにならんかい。芸人いうのは、こうやって劇場や寄席で喋る人間のこと。テレビにばっかり出て現場を疎かにしているのはお笑いタレントって言うんですよ。芸人は、芸をやる。会社に口は出さん。それができなければ会社を辞めればええ。これが、68歳の芸人の言葉です」
だそうです。