派遣社員、3年勤務なら時給3割上げ 厚労省が指針
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詳細は省略しますが、派遣社員に関する同一労働同一賃金ルールは、契約社員やパート社員に関するものに比べ、かなりインパクトの強いものになります。
派遣社員の給料は上がり、すなわち派遣の受け入れ先が派遣会社に払う派遣料金もかなり上がるでしょう。
それでもなお派遣社員に来てもらいたいとなると、料金が高くてもやむを得ない(今でも正社員より高いくらいの)、専門性の高い人に絞られていくのではないでしょうか。
企業としては、そうではない人に高い派遣料金を払うインセンティブが薄れていき、結果として派遣社員は減っていくかもしれません。
つまり、もたらされるのは、格差是正というより、低賃金派遣社員の絶対数の減少であり、派遣業界の縮小になるかも。
代わりに正社員が増えるのかはわかりませんが、、我が国の正社員が同一労働同一賃金にならないのは、仕事でなく年功に個人に賃金が張り付くシステムが根強く残っているからで、会社が仕事を決めて従業員に従わせるには、年数を重ねるごとに“潜在能力”が上がるという仮定を置くほかないのです。真の意味で同一労働同一賃金を導入するには、このシステムを抜本的な改め、個人の専門的なジョブのスキルを適正に評価して賃金を定める以外ありません。
「社員の経験や能力が働き続ける年数に応じて向上するとみなし、勤続年数に応じた適正な賃金水準について指針をまとめた」とありますが、これは、同一労働同一賃金の概念と真っ向から対立する、今の正社員の賃金の考え方。これを厚労省が推進するようでは、真の同一労働同一賃金が日本に根付く筈がありません。
少なくとも建前の上で派遣先企業が個人を選ぶことができない派遣社員は、正にジョブのスキルで賃金を稼ぐ人達です。3年経ったらジョブスキルが一律的に3割上がる筈がない。非正規社員の賃金を引き上げたいという気持ちは分かりますが、日本の正社員は極めて特殊な存在です。制度の見直しは、そこも含めて包括的に行うべき。賃金決定に政府がこういうある種“歪んだ”形で介入して良いものか、慎重に検討する必要があるように感じます。ではなくて、派遣会社の手数料率に規制かけるべきでしょう。
長く同じ場所で働いているならば、マッチングのための営業コストは発生していないのだから。
これだと、3年スパンでコロコロ派遣先が変わることになるので、誰も得しない。