100年に一度の変革。伊藤忠、次世代電力プラットフォーマーへ
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よそのビジネスにいちゃもんつけるつもりはないけれど、一生に一度被るかどうかという長時間停電に備えて、285万円で200kgの巨大な箱を家に置く気にはとてもなれない。
一般家庭の電気代なんてたかだか年間で10万円代。その20年分のコストをかけてまで、巨大自然災害時に自分の家だけはエアコンが使えるという優越感を得る可能性を得たいとは私は思わないし、その人に数十万円もの補助金を税金から付与することの正当性を説明できない。本当に非常用ならば、もっと公的に使えるものが必要なはずだ。
しかも、仕様をみると耐用サイクル寿命は6000サイクルしかない。10kWh(9.8kWh)の容量をフルにつかって、仮に往復1kWhあたり5円の価値を生む取引ができたとしても、得られる利益の最大値は30万円。投資コストを回収するには往復1kWhで50円以上は稼がなければならない。
卒FIT後の家庭の余剰太陽光電力は、充放電ロスが大きく設置コストが高い蓄電池に吸わせるのは結果的に社会コストでしかないので、系統に流すのがユーザーにとっても一番リーズナブルだと私は思います。
誰がどんなビジネスをやろうと自由ですけど、正直伊藤忠さんがやろうとしていることがわからない。このバッテリーを購入した2万人の顧客というのは、どんなつもりで買ったんでしょうか。
ネクストエナジーはCATLと組んでTPO(第三者所有)モデルで家庭用蓄電池の販売展開を狙っているようですが、この世界もなかなか激しいですね。TSOならユーティリティ企業のインフラとみなせるので、ユーザーではなく系統にメリットのある運用となり、ユーザーは[大きな徳もありませんが)損せず社会的にもプラスになる可能性があると思います。
ネクストエナジー、世界最大手電池メーカーのCATLと業務提携
https://www.nextenergy.jp/information/190725/蓄電ビジネスに可能性を感じながらも、伊藤忠商事が従来取り扱ってきた領域では先の広がりをイメージできなかった。それを切り拓いたのは、村瀬博章さんという一人の信念と粘り腰だったそうです。
ビジネスでは堂々巡りで出口の見えない状況に置かれることがあります。あちらもこちらも立てようとすると、結果的に何も立たなくなってしまうことも。伊藤忠が持つアセットやエコシステムがあってこその事業ではあるけれど、それを形にできたのは「会社に反対されてもやる」という強い意志があったからなんだろうな。Sponsored Articleとは言え、「次世代電力プラットフォーマー」とは随分思い切ったタイトルですね。
本気でプラットフォーマーになるなら、分散型電源(蓄電池)を自ら作ろうとせずに、作らせるインセンティブを付与する仕組みを作った方が良いです(伊藤忠さんは24M Technologiesに出資してます)。
電力業界ではコストの高い蓄電池は評判悪く、VPPが起爆剤になるとも思えません。P2Pも同様。グランドデザインしてリスクを取って投資する分野では無いだけに、総花的プラットフォームにならざるを得ないのでしょう。目新しさは感じられず、ちょっと残念でした。