【深層】サプライチェーン取材でわかった「食品ロス」の裏側
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サプライチェーンがいくつかの企業に分断されていて、それらプレイヤー間の利害関係が対立する構造にあることが、改革の妨げになるケースは新技術の導入(ロボット含む)でも度々目にしてきました。いっそのこと資本関係になり、共通のPLを追求する関係になるのが早いかもしれません。
注目のコメント
食品ロス643万トン……。なかなか想像しづらい数字ですが、国民一人あたり、年間50kg程度の食品を捨てていると考えると、かなりの量に感じられます。
その一方で、厚生労働省によると、日本には7人に1人の子どもが貧困のため食事を満足に得られていません。
私自身、外食で残してしまいがちな消費者です。記事中でも述べた通り、小盛りを選ぶようにしたり、注文する前にどのくらいの量なのか店員さんに聞いたりしていこうと思いました。
また、行動分析学の視点から見れば、人の行動は「心」よりも外部環境に左右されやすいとされています。
そのため、持続的に食品ロスを防ぐには、消費者が望ましい行動を取るための環境を整えることも重要なのかな、と私は考えています。
例えばローソンでは、消費期限の迫った商品を買うと、Pontaカードなどのポイントが付与され、実質的な値引きを受けられる制度を一部の地域で始めています。
こうした仕組みの導入で、消費行動がどの程度改善されるのか、追っていきたいです。スーパーやコンビニ(小売)はある商品が欠品すると、それを求めて来店した常連さんが、競合店に流れてしまい、そのまま競合店の常連になってしまう可能性があるので、在庫余りより在庫切れの方を遥かに嫌う。
そのため、小売は多めに発注し、その小売に納品する卸も多めに発注し、その卸に納品するメーカーも多めに生産する。意図して多めに発注するため、小売や卸で余りが発生し、それらがメーカーに返品され、ほとんどのメーカーは小売以外での売り先がないので、廃棄せざるを得ない。商慣習となっており、売買契約書のひな型に則ると、この構図に入ってしまう。
小売も「店舗では欠品しているけど、ネットだとある」みたいな経験を顧客がして、ネットに顧客を奪われる流れを止めたいので、今こそ必死だと思う。
われわれ顧客も、欲しいものはすぐ手に入ることが当たり前と思っていることが食品ロスの原因になっていることを意識して、欠品していたら他のもので我慢する、という気持ちを持つことも必要と思う。世界がフードロス削減に取り組む中、日本だけはV字増加しています。
日本政府はフードロスを削減するため、食・農関連の研究開発事業ではフードロス削減が必ず目標に入っています。
多くがサプライチェーンの高度化・効率化、需給マッチングによりフードロスを削減することを目指していますが、デジタル化を急速に進めて高度化・効率化を図るよりも、商習慣を強制的に見直しさせるほうがはるかに効果的だと思います。