【深層】737MAX墜落事故を招いた、ボーイングの「裏事情」
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複雑な全容だが、2つの筋があるということだろう。ひとつは、意図的な隠蔽によって生じたということ、もうひとつは、いわゆる「サイロエフェクト」(分業化の弊害)によって、誰もリスクを把握できていなかったということ。
どうも後者のサイロ化がベースで、誰も全体がよくわからないまま、ともかく納期やコストを守るために、止むを得ず前者が起きた、しかし、その対応がもたらすリスクも実はよくわかっていなかった、という読み解き方が妥当な気がしている。
技術が複雑化すると、意図を超えた帰結をもたらすということが教訓だろう。オリジナルの記事は以下だと思う.
https://www.nytimes.com/2019/06/01/business/boeing-737-max-crash.html
そちらの方が詳しい.和訳の過ちが一つある.
MCASが当初,動作判定に使っていた値は「迎角」と「重力加速度」とあるが,「重力加速度」のはずはなく,原文と照らし合わせると,「G-Force」が正しい.つまり,「加速度(G)」である.加速度(とくに垂直加速度,運動荷重倍数)が大きいと,迎角と迎角の変化率が大きいことを意味する.つまり,MCASは迎角と迎角変化率の二つに閾値があったということになる.ただ,速度が小さいと垂直加速度も小さい.これが,本文にある「MCASを低速でも使えるようにすること」という要望につながったと想像する.
記事を読んで驚いたのは,MCASが当初,迎角とG-Forceの両方を閾値としていて,それでFAAから承認を受けていたにも関わらず,その後,迎角のみの仕様に変更したときに再承認を受けていなかったこと.「再承認の必要はないと判断された」.だれの判断? この判断(ミス)が大きい.このために,MCASの仕様変更が公になることがなかった.FAAは本当にこの変更を知らなかったことになる.
関係者は迎角センサの故障可能性を低く見積もり過ぎていたし,隠し機能のMCASの教育は要らないと思っていた.
https://newspicks.com/news/3858309?ref=user_2112738
誰も「欠陥」を望んでいたわけではない.結果から見れば「『必然的』に起きた事故」とは言うが難しい.
「失敗学」にまた1ページ.複雑なテクノロジーで組み立てるときに
分業する互いにとって
ブラックボックスが積み上げられた結果、
起きた悲惨な事故は単純に官僚制、分業制の問題や
ホイッスルブローワーが欠けてるという問題で
片づけられるものでなく、理解できないものは
理解できないからそのまま運用しようという姿勢による
コミュニケーション不足があると思います。
ここはコーポレートガバナンスの問題として、
いかに自社の商品の魅力と変遷を自社内で共有していくか
というコーポレートヒストリー、よくDNAと言われるところ
を知る機会がかけていることが問題と感じます。
そしてこれらを知ることによって顧客との関係性の変遷も
見えてくるので一石二鳥と言えるでしょう。