働き方改革「高プロ」導入は1%…主要企業アンケートで浮かぶ改革慎重姿勢
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導入するにも、労使委員会の5分の4以上の多数決議、行政官庁への届出といった手間がかかります。
そもそも該当になるであろう人たちは、残業時間が長い傾向で、残業代目当てで無駄に残業する人とリンクしにくい人たち。
さらに年収1075万円を社員に支払っている企業の出現率も含めて考えると、そりゃ1%だろうなと思います・・・
注目のコメント
産業医的には、高度プロフェッショナル制度はなかなか企業には導入しずらいと感じます。
その理由は、高プロ制度の年間104日以上の休日確保措置です。これは、だいたい週休2日しっかり休まなくてはならない=週2日働いてはいけないと言うことです。
そもそも、高プロ社員が週2休めるような仕事ぶりをしているわけもなく、週2全く働けないのは、毎日遅くまで残業してはいけないことよりも、遵守しにくいでしょう。会社の記録等でも、週2日(年間104日)休日を取っていないと言うことは明確に残りますから、グレーゾーンにもしずらいでしょうね。。。
そのような理由で、高プロ制度はとりあえず様子見なんでしょう。高プロの現段階の対象って下記の5職種ですよね。
①金融商品の開発業務
②金融商品のディーリング業務
③アナリストの業務
④コンサルタントの業務
⑤研究開発業務
(しかも相当な制限付き)
であれば、1%って妥当な数字だと思います。ですから対象の社員がいる会社は制度は整えていると考えられます。最近読んだファクトフルネス的に考えてみましたw実務家の観点で申し上げると、運用の詳細が「厚生労働省通達 平成31年3月25日基発0325第1号」(労働基準法の施行について(新労基法第41条の2及び新安衛法第66条の8の4関係)) …で発せられているので、そもそも、(前提として対象者絞り込みや会社の意思決定としての取締役会決議を経て)労使委員会決議と監督官庁への届出が間に合わないんですよ。
さらに、健康管理時間の把握にソフトウェア等を用いる(厳密には「用いざるをえない」)、あるいは健康診断受診義務も変わらず存在するため、高プロ制度により深夜残業手当を免除しても、雇用主側は割に合いません。特に実務の愚痴になりますが、なまじ先手を切って導入すると、労基署の臨検が増えるのは確実で(笑★)、人事サイドの労務管理負担が増大します。
★→先進的な制度を導入運用していると、「勉強させてもらいます」と言って労基の監督官が来ます。もちろん法令にてらして不備があれば是正勧告されます…。
最終的に高プロレベルの人材の処遇としては、企画業務型裁量労働制、管理監督者扱い、子会社などの取締役にして委任関係(取締役に就任する同意を得る)、の三択ですね。
なお、高プロの論点においてフリーランスはそもそも制度範疇外なので言及しません。雇用されていれば社会保険や年金が有利になることは、本人もよく知っています。そのため、「高プロやるくらいならフリーランスがいいじゃん」という議論は早計です。あくまで考え方、選択の話ですね。
個人的には、高プロは本人にも企業にもメリットが少ないため、定着しないと考えます。休日や健康管理の定めが強化されている反面、企業側の管理工数が増えます。現状の制度で回せている以上、企業サイドはリスクをとらないでしょうね。
(参考)※上記通達から転載
対象労働者の健康管理を行うために当該対象労働者が事業場内にいた時間(労使委員会が休憩時間その他対象労働者が労働していない時間を除くことを決議したときは、当該決議に係る時間を除いた時間)と事業場外において労働した時間との合計の時間(以下「健康管理時間」という。)の状況に応じた健康及び福祉を確保するための措置(以下「健康・福祉確保措置」という。)等を講ずることにより、労働基準法に定められた労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定を適用しない制度である。