京大、ディープラーニングにより精度97%で気候変動を予測する手法を開発
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まず記事タイトルがまずい。30年分のデータから後の10年間の平均気温が上がるか下がるかの二択を地点毎に予測しただけ。
次に「97%」の意味が誤解を招く。近年のように全体的に温度が上昇していれば、全部「上昇」と予測するだけで80-90%は正解になる。多分、「上がってるところは上がり、下がってるところは下がる」くらいのアルゴリズムでもかなり高い精度になるはず。
せめて単純な線形回帰からのズレの(符号の)予測精度とかにしてもらわないと評価のしようがない。
掲載ジャーナル"Frontiers in Robotics and AI"がまずい。ここの出版社フロンティアメディアはいわゆるハゲタカジャーナルおよび予備軍のリスト「ビアーズリスト」に載っていたことがあり、査読プロセスが問題視されている。
https://en.wikipedia.org/wiki/Frontiers_Media
研究手法がまずい。1次元データである67420地点の温度を、縦軸1月-12月、横軸1961-1990年、気温をカラースケールにした3次元60×60カラー画像ヒートマップに変換して、それをCNN(畳み込みニューラルネットワーク)の元祖である1998年のLeNetにぶち込んでいるだけ。確かに汎用PCでまわすにはこれが楽かも知れないが、、、。そして、カラーをいじると精度が変わるという謎感度分析。温度軸のレゾリューションをいじってるということなんだろうが、、、。だいたい今の時代に深層ニューラルネットワークをDNNと表記している論文は怪しい。
しかも、従来のスパコンによるシミュレータとの研究手法の違いを、ポトムアップ/トップダウン、西洋医学/漢方になぞらえる、謎評価。「因果関係を分析する革新的な手法」と言っているあたり、正直ちょっとやばい。
まあ、京大と言っても気候変動研究の専門機関ではなく、フィールドワーク中心の京都大学フィールド科学教育研究センターで、筆頭著者の伊勢武史准教授は元々生態学が専門の方のようですね。
今後の予定として書かれている、定量的な上昇幅の予測を行なって既存研究との精度比較できたら発表して頂ければ。
問題は、この結果でいかにもディープラーニングが気候変動の既存スパコン研究を凌駕したかのように書かれていること。
日経やばい。日本やばい。
追記
NPで何故炎上しない。