レコメンデーション機能に潜む「負の側面」は解消できるのか?
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私がレコメンデーションASP企業にいたときに、会社が掲げていたレコメンデーションの理想は、
「1クリックで、幸せに近づく」
「探すんじゃなくて、出くわす」
「知らなかっただけで、実は好きなものに時間をかけずにたどり着く」
だった。
アルゴリズムにはこだわった。
特に協調フィルタリングで起きてしまう過学習問題を一番気にしていた。過学習問題とは、確率が高いもの同士でおすすめが固まってしまい、面白くないレコメンドになってしまうもの。
例えば、スターウォーズ エピソード1とエピソード2のレコメンド。思ってもみなかったものに出くわさない。
または、スターウォーズ エピソード2にエピソード1が出るなど、過学習によるミラー問題など、誰でも知っているレコメンドになるもの。
レコメンドがレコメンドでなくなる。
レコメンドのアルゴリズムはユーザーの好みを追及しても絶対に100%満足するものにはならない。なぜなら、学習できる収集データが100%にはならないからだ。
そこで、当時は複雑ネットワーク理論を応用し、ハブとなる存在を見つけることで、そこからちょっとズラして新しいものに出くわすようにできるアルゴリズムを意識していた。
そこは完全に機械学習ではなく、アルゴリズムを調整する優秀なサイエンティスト(飛び級で博士号取得している方)が自社内に居たことで、各クライアントサイト別に調整を行って成り立っていた。
ということで、私の結論としてここに出てくる「負の側面」を解消するためには、収集するデータが100%でないことを意識し、機械学習だけではなく人の手による調整が必要と認識した方が良いと思います。
当たり前のことでしかないのですが。いまのレコメンドのあり方を変えようという動きは興味深く、「次の時代のレコメンド」がどんなものになるのか関心を持っています。とはいえ、「ユーザーが好むもの」をおすすめするレコメンドがフィルターバブルを生む問題自体は残り続けますね。フィルターバブルを生まないレコメンドってやはり矛盾でしょうか?
居酒屋で「おススメなんですか?」って聞いたら店員が自分の好みをレコメンドしてくれるように、ウェブもランダムに選出した自分と同じ年代の人がみている記事なんかをレコメンドしてくれると面白そう。その方が新たな発見があって楽しい。