日立システムズ、介護施設職員をIoTで支援する見守りシステム 多様なセンサー活用
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注目のコメント
日立さんのシステムには期待したいです。
それと同時に、『介護に関する見守りシステムがビジネスモデルとして成立するか?』にも注目したいです。
そもそも介護業界における『現場職員の低賃金、重労働が課題』というのは誰でも耳にしたことがあると思いますが、事業者側(経営側)も非常に厳しい状況にあるという前提を理解しておかなければなりません。
平成29年介護事業経営実態調査結果の概要(厚生労働省)によると、全介護サービス平均の収支差率(私は経常利益率と理解)は3.3%でした。
かつ、収入に対する給与等のコストである人件費率は60%以上に達しています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jittai17/dl/h29_gaiyo.pdf
つまり、収入に対するコストの割合が高いので利益ギリギリです。という事業者が一般的ということです。
では、「じゃー利益を出すために売上上げる施策として月額利用料を上げれば良いじゃん!?」と考えたいところですが、介護施設の収入は主に『入居者の介護度に応じた介護報酬』と『施設職員の数や質に応じて付与される加算収入』によって決まっているため、コンビニとの複合施設といった異業種複合型のビジネス展開事業を考えないと売上を簡単には上げることができない仕組みになっています。
「じゃー売上上げれないならコスト下げればいーじゃん。日立さんの介護システム使って省人化を進めればいーじゃん!?」という意見がでてきそうです。
ここも言い訳ばかりを並べるつもりはありませんが、介護業界には法令で厳格に定められた人員配置の問題があります。つまり、簡単にヒト減らしはできません。
長くなりましたが、まとめると介護事業者側は経営環境としてかなりギリギリの中で運営をしており、その中で現場の効率化を進めるためには介護システムが広く利用できるような料金体系であったり、国からの支援がなければ『絵に描いた餅』で終わります。
私個人としては、2025年問題と言われている『日本の高齢化率が約30%にまで上昇』する前までに国としてこの介護業界を抜本的に支える仕組みを作り上げてほしいと願っています。
そうすれば介護事業者側も安心して事業運営を行うことができ、結果現場の方々により働きやすい環境を提供できると思っています。実用化という観点で、IoTはAIやブロックチェーンといった流行りのキーワードの中で何歩か先行し始めたと思います。
ただ、事例の多くが、インターネットではなくLANですね。
本当にインターネットを使ったものになることで、大きな発展が望めるのではないかと思います。