ノートルダム大聖堂の尖塔再建、デザインを世界中から公募へ
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注目のコメント
懐古主義に陥らずに、100年以上続く新しい伝統を作らんとする姿勢を連綿と守っていく姿勢がヨーロッパ的。
そしてカンヌもそうだけど、
自分たちだけで作ったものが素晴らしいから我々は素晴らしい
ではなく、
世界で最も最先端で素晴らしいものを見抜く力があるから我々は素晴らしい
という論理で動くのはフランスぽいな。
ズルいきもするけど、ブランディングを国際競争力の中枢に置いている国の凄さでもある。2005年にパリに留学していた当時、ロマネスクから近代までの28の教会の様式美と構造変化と教会前広場のあり方を研究していました。ノートルダムとソルボンヌとサンシュルピスは、プロポーションのハーモニーとそこから醸し出されるユニークな時代精神が素晴らしく、外せない3つでした。
今回の話を聞いて、『冷静と情熱の間』で描かれている絵画の修復士という職能についての描写を思い出しました。日本では「オリジナルの過去の絵画に戻すこと」が前提になっているのに対して、イタリアでは「オリジナルの絵画に新たに解釈を加えること」が修復士に求められている、と。
ノートルダム大聖堂というゴシックの世界的なデザインの結晶に、どのような新たな時代の解釈を加えるのか。宮殿を改築したルーブル、駅舎を改築したオルセー、工場のような外見のポンピドゥ、を生み出してきたパリの地に、どんな未来へ向けたデザインを加えられるのか。
9.11のグラウンドゼロの時も違う意味でアイコニックなコンペとなりましたが、創造は常に逆境にから生まれるものだと思いますし、今回、700年もの歴史の上に立つ、壮大なスケールのデザインコンペとなることを期待します。日本でなら「日本の職人や技術による完全再現」しか思いもつかないような気がします。最終的にはどうなるにせよ、そうやって世界中に門戸を開いて伝統を作っていく姿勢を示すというのはパリらしいなと思います。