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京大、iPS移植の拒絶反応抑制 ゲノム編集で成功

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  • 自然言語処理 大学院生

    おー。よくわかってないけど、進歩してる感じ


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    再生医療・幹細胞生物学研究者

    所属する金子研究室の王研究員が共同筆頭著者の論文がでました。徐さん、王さんおめでとうございます!実は私も差し戻し実験の時、少しだけ協力しました。

    拒絶されないiPS細胞というのはよく Universal iPS cell と表現され、そのコンセプトは実は以前からあるものです。自分のIDタグのように機能しているHLAという分子を排除した細胞を作製して、IDタグをもとに敵を識別している免疫細胞(キラーT細胞など)から回避させようというコンセプトです。

    免疫細胞にもいろんなキャラクターが存在し、IDタグを正確に認識し、少しでも違ったら攻撃するキラーT細胞もいれば、IDタグ自体をもってないやつを問答無用で攻撃する細胞(ナチュラルキラー細胞:NK細胞)などがいます。まずはID(HLA)を潰す。しかしそうするとNK細胞に攻撃されやすくなるので、今度はNK細胞を騙さないといけません。

    ただ、HLAという分子を遺伝子編集で除いてしまうという基本概念は大枠でどこも共通です。今のトレンドはHLAを潰した上でどんな細工をして他の免疫細胞をさらに騙すかと言った状況でしょう。

    今回の論文は既存のテクノロジーにさらに2つアイデアを試行して、免疫拒絶をされにくくした事を示しています。

    詳細は省きますが、1つ目は両親から一つずつ受け継いだIDの片方をなくしてシンプルにする方法です。今までのiPS細胞研究所のバンキングは偶然両親から同じIDを受け継いで、もってるIDが1つに見える珍しい人(スーパードナー、ホモドナーと呼んでいます)を見つけてきてストックを作るやり方だったのです。

    今年になってヒトへの移植が了承された慶応の脊髄損傷、阪大の角膜どちらもこのホモドナーから作ったホモストックを使用しています。

    2つめは、NK細胞を抑え込む場所だけは残してIDを削って、キラーTからもNK細胞からも許してもらおうというアイデアで、マウスを箱として、実際に想定されるヒト細胞を移植して行った実験では効果が出ています。

    これまでのホモストックでは、日本人の95%以上をカバーするのに73株が必要であると試算されてました。2つめの方法の場合、日本人の95%以上をカバーするのに7株と試算され可能性は広がりました。

    免疫は役者が多くて説明がわかりにくくてごめんなさい。ぜひ雰囲気だけでも伝わればと思います。


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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    iPS移植で拒絶反応?とタイトルを読んで少し「拒絶反応」が出ましたが、iPSの「ストック事業」と関連してのお話だそうです。

    本来iPS細胞を使う最大のメリットの1つは、自己の細胞から臓器再生することで拒絶反応を免れることができる、ということでした。先日「マイiPS」などと名付けてニュースにもなっていましたが、安く迅速に自分のiPS細胞から臓器再生ができる将来が理想郷でしょう。

    そうは言っても現状では、コストや迅速性の壁を乗り越えてはおらず、他者からのiPS細胞をストックしておいて臓器再生に用いることが現実的です。他者のiPS細胞を用いても一般的な臓器移植と比べて拒絶反応は起きにくいと考えられますが、それでもなお3割程度の確率で拒絶反応は起こるようです。自分ではない標識がその細胞にあると免疫担当細胞が攻撃をしてしまうのです。

    記事によると、この免疫反応、拒絶反応を遺伝子改変技術を用いてマウスで抑えることに成功、とのことです。これにより他者のiPS細胞も拒絶反応に困らず使用可能になりそう、というわけです。

    マウスでの報告から、人でもすぐに、と思うのは早合点で、この後臨床試験の長い旅路を経て、有効性と安全性が人で確認されてはじめて現場で活用できる技術となります。

    例えば、iPS細胞移植の懸念点に将来のがん化がありますが、あらかじめ免疫反応を抑制してしまうことで、がん化が起こりやすくなるかもしれません。こういったことが十分評価、検討された上ではじめて利用可能な技術になるわけで、我々一般市民のレベルでは、少し遠い目で参考程度に勉強しておく姿勢が肝要でしょう。


  • サイエンスライター

    iPS細胞研究所のプレスリリースはこちら。

    ゲノム編集技術を用いて拒絶反応のリスクが少ないiPS細胞を作製
    https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/190308-010000.html

    免疫拒絶反応に関わるキラーT細胞とNK細胞の攻撃を受けにくくなることをマウス実験で確認。

    これにより、iPS細胞ストック事業で今まで「日本人の約9割をカバーするのに140株」必要だったのが「わずか12種類のiPS細胞株によって、日本人の95%以上をカバーできると試算され、世界的なカバー率の向上が可能」とのことです。

    論文はこちら。
    https://www.cell.com/cell-stem-cell/fulltext/S1934-5909(19)30047-5


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