サレプタ、筋ジストロフィーの遺伝子治療の初期治験で良好な結果
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筋ジストロフィーは、正常な筋肉の形成に必要な遺伝子の一部に異常をきたし、進行性の筋力低下や心臓の筋肉にも影響が出て、心不全もきたしうる疾患です。原因遺伝子の違いにより、異なる病名がつき、異なる程度の症状が出現しますが、重いものは小児期に命を落とす重篤な疾患です。
有効な治療法がなく、これまで、リハビリテーションや精神的なサポートが主体でした。有効な遺伝子治療が確立すれば、筋ジストロフィーの世界が一変することになります。
ここでいう遺伝子治療とは、病気の原因となってしまった異常遺伝子の代わりに、ウィルスに乗せて正常な遺伝子を体内に植え込む、という治療です。
ウィルスというのは遺伝子を乗せた殻のようなもので、生き物のようで完全な生き物ではない不思議な存在です。個体として不完全なので、生き物の細胞の中に住み着いて増殖し、そこからまた別の細胞に飛び移っていくという生活をしています。
ウィルスが喉や鼻に感染して細胞を障害すると厄介な風邪ということになりますが、このウィルスに、必要な遺伝子を乗せて特定の臓器に「感染」するように細工をすることで、必要な遺伝子をきちんと細胞の中に運び届けてもらうことができます。ウィルスが足りない遺伝子を届けてくれ、細胞の中で必要なタンパク質が作られれば、正常機能を取り戻せるというわけです。
臨床試験が済めば、次の障壁は汎用するための費用削減とそれを実現するための技術です。そこまで乗り越えれば、目の前の患者さんに用いることのできる治療法になるでしょう。専門外なのですが、骨格筋だけでなく心筋も障害されることは多く、心臓移植待機や心臓移植を受けた方もいらっしゃいますので関わることがあります。肢体型ではないですが。
心筋は再生しないから、筋ジストロフィーによる心筋症はなくならないのかな?ただ骨格筋が再生してADLが向上・維持されるなら、補助人工心臓や心移植とのハイブリッド治療の可能性も??協力な免疫抑制中でもこの治療ができるのかとかにもよる???
などと色々考えますね。
いずれにせよ有効な治療のない分野に明るい報告です。
ちなみに副作用のない薬は1つもありません。