「おカネをただで配りましょう」ベーシックインカム実験の結果はどうなった フィンランドからの報告
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メモ:最後の段落に最も関心が‥南欧諸国を中心に国そのものの稼ぐ力が冴えないなかで、稼ぐ力があってこそのBIですものね。それこそ国家内でなく世界レベルの再分配でもない限り持続可能なBIへの課題は山盛りなのかもしれません
このような振り返りがあるのは良いですね。就労状況があまり変わらないのは想定されしたが、ストレス改善はもっと改善すると思っていたのでそこは意外でした。2年目の結果も楽しみですね。
「AIとロボット化で大失業時代」は現代のラッダイト運動に過ぎない。産業革命時も「機械化で仕事が奪われる」とされたが、現代のヨーロッパは当時の人口の3倍。しかし失業率は66%ではない。もっと楽観的に考えるべきだ。
また通貨発行権を持つ政府がBIをする場合、【財源】などの心配は不要だ。なぜなら文字通り通貨発行権があるためだ。過度のインフレにならない限り、政府はいくらでも国債を発行できる。財源は全て国債で実施しても良い。
しかしながら、BIはまずうまくいかない。
ベーシックインカムは「カネがあればモノが買える」と言う前提で検討される政策であるが、その前提は非常に脆い。
「カネがあればモノが買える」状態とは、「生きるために必要なモノは必ず誰かが生産している」と同義。果たして「働かなくても良い」「好きなことのみに時間を使えるようになる」と言う状況で、誰が一生懸命に【生きるために必要なモノ】を生産してくれるのか。
「農産物など全て海外から買えば良い」と言う意見も聞こえる。
しかし思い出して欲しい。
かつて「エネルギーなど全てアメリカから買えば良い」と言う政策を過度に進め、いざ石油が輸入できなくなった時、どのような行為に出たのか。
多くのベーシック・インカム賛同者が勘違いしているように見えるが、【経済力】とは「カネの多さ」ではなくて「モノやサービスを生産できる力」を指す。
従ってベーシックインカムは経済力を毀損し、国家としての強さをも弱める政策となるし、過度のインフレーション・リスクを招く政策でもある。
例えば終戦の頃、労働力を含めて国内のモノやサービスを生産する能力は徹底的に破壊された。従って需要を満たせなくなり物価は上昇した。即ち、食べ物を買おうにも「カネでは売ってもらえない状態」(=過度なインフレ)となった。
一方で、国民の多くが困窮し飢える中でも、一部の富裕層は飢えなかった。
さて、ここでBIを導入していれば、多くの国民の需要は満たせただろうか。
この事からも、ベーシックインカムによりカネを配れば貧富の差は無くなるとか、生活の心配は無くなるとかの主張はかなり危険なものだと解るはずだ。
重要なのは国民の需要を自国の生産力で満たせるための【経済力】なのであって、【カネを持っている事】ではない。要すればBIは拝金主義の産物に過ぎない。
(一部編集後再掲)