量子コンピューターでIBM・Googleを追走できる日本企業はどこだ?
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この数年の量子コンピュータ開発には量子スプレマシーと量子スピードアップという2つの重要なマイルストーンがあります。
量子スプレマシーとは、量子コンピュータの振る舞いをスパコンでシミュレーションできなくなることを指します。実用上に役立たないですがスプレマシーの証明はスパコンを特定の問題で超えることになり重要です。これは早ければGoogleが今年中に証明するでしょう。
一方で、量子スピードアップは、実用的な問題を解く上で量子コンピュータが優位になるラインです。量子スピードアップの達成のためには良いハードウェアのみならず、キラーアプリケーションの探索などが必要になります。これには100~200量子ビッドの量子コンピュータが必要だと見込まれていて、あと2,3年は必要でしょう。
日本の量子技術投資に関してですが、量子コンピュータ開発を行っている研究者に聞くと、急に予算が増えたのは良いが人材が足りないことが新しい悩みの種のようです。
慶應義塾大学のあるIBM Q Hubで、量子コンピュータを学生が遊び倒していることを聞くと、このように環境・人材が揃った量子技術の拠点は海外と戦っていくための研究や人材育成の面で重要だと感じます。
Google・IBMなどが見据えているのは誤り訂正のある量子コンピュータです。これを実現するためには100万量子ビッドを集積化する必要があり、20年はかかるでしょう。
このくらい長い目で量子コンピュータに投資した時に必要なのは単純にお金だけではないという認識が重要だと思います。IBMがCESに持ってきたのはポーズである、世界で最初にゲート方式の量子コンピュータを商用機として開発し、販売可能にした、というかつてのDwaveのような先進性、斬新さを表したかったのだろう。
実際売るのも維持するのもバカ高いので、クラウドで使うのがパフォーマンス的にも現実的なのだが。
日本側で本気で同じ路線追いかけるなら国の本気支援が必要。あと、それを使って先端研究したいユーザー企業も必要。
1社で追いつこうとか、そんな時代ではない
スタートアップ、大学などとの連携で基礎と応用を探り続け、収穫を待つのが得策だ。