前澤氏1億円バラマキ企画が示す、「広告」から考える時代の終わり
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マーケティングにおけるクリエイティビティは、常になんらかの制約…予算、媒体、コンプライアンスなどなど…のある条件下で最も目標…話題喚起、認知獲得、好意の獲得、ブランド理解、売り上げ、などなど、レベル感も様々であげればきりがない。もちろんフォロワー数の拡大も…を達成するための効果的な手段を考えることにある。
その与えられる制約が緩い…つまり純粋な「広告」だけでなくネイティブ広告や今回のような直接発信などいろんな使い方ができる…SNSやウェブサイト(所謂アーンドやオウンドなメディア)のような媒体の力が強くなってきてるのだからこういう企画が出てくるのは時間の問題だったと思う。
テレビの表現がともすると即物的な刺激の強さを追い求めて行ってしまうのと同様に、今後SNS関連の企画でもこうした刺激的なキャンペーンは増えていくだろう。
人は一定の刺激になれるとさらに強い刺激でないと反応しなくなる。宝くじの当選金額がどんどん上がっていくのとおんなじことだ。
でも、世界には即物的ではない方法もたくさんある。もっと心を動かす、人々の共感を引き起こす方法もある。刺激としては弱いものであっても、ブランドのストーリーが伝わる表現のほうがブランドのパワーは確実に上がっていく。
刺激の強さが立つ表現は一時的な話題喚起にはなっても長くブランドを支えてはくれないということは忘れないでおく必要がある。ベネトンの広告はあれだけ話題になったが、それが終わると一気にブランドのパワーは落ちて行ったし、今ブランドとして残っているのは刺激的な広告表現とセットで地道に展開されてきた店頭のカラーイメージの方だけだ 。
刺激に刺激を重ねるやり方に限界があることは理解した上で新しい、話題を喚起するような刺激的なクリエイティビティも効果的に取り入れていきたいものだ。まずは前澤さん、明確なツイッターの違反にならなくてよかったですね。
さて、広告としてという事ですが、まずはペイペイと比べても効果がありそうだということは思うでしょう。
PayPayは100億円、前澤さん「個人」は1億円。ソーシャルメディアの反応だけ見ると消費者的には前澤さんに軍配がと思いがちですがPayPayはPayPayで狙いは別にあるはずで、今PayPay利用者の口座にはこの100億円が眠っているのでこの口座のお財布目当てに加盟店を増やすのが狙いでしょう。なのでプロモーション単純比較で見るとミスリードしそうだということ。
そして単純に広告としては今回素晴らしかったのだと思います。なぜなら広告には単純に認知だけさせればいいものと、「好意度」が重要なものがあります。
例えば携帯電話のCMはなぜ犬とか金太郎かというと、人はいつか携帯電話を必ず持つため「いい感じがするとこを使いたい」と思うのです。
おそらく洋服もそうでしょう。どこで買っても一緒ならたかがポイントがちょっと付くだけよりも良い人から買いたいわけです。
これはスピードとポイントを重視した楽天、アマゾンとは異なる取り組みですね。
今回の件は1億円で獲得できる好意度をはるかに超えていると思いますので大成功でしょうね。
ちなみにとあるグローバルスポーツブランドのマーケティングも「SNSが発達した時代には良いことは必ず語られる。だから僕たちは世界中の困っている人を探して助けたいんだ。その人は人生で僕らと共に生きてくれると思うし、それをSNSで語ってくれるから」とそのエージェンシーの方が語っていました。
さて、月に行くまでに前澤さんがどこまでこうした取り組みを行うか楽しみですね。
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ちなみに、バズフィードの取材に対して、ツイッタージャパンは明確に利用規約には違反してない、と言い切ってしまっています。ぶっちゃけこの企画は前澤さんと当たった人にとって素晴らしいものであると思うけど、ツイッター社としては存続に関わるレベルの事態と思います。プラットフォームとして生き残れるのかな...打撃大きいと思いますよ。。