「値上げはしない」苦境の吉野家が挑む“初めてのマーケティング”
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記事を書いた記者です。
原材料や人件費高騰に苦しむ吉野家のマーケティング施策を取材しました。
業界でも牛丼の一定品質に定評のある、逆に言えば「牛丼並を食べにくる男性1人客」に特化していたとされてきたチェーンが、ターゲッティングの転換を図っている、という話です。
あるマーケッターの友人が「マーケティングが必要な時点で、その商品は勝手に売れてしまうほどは優れてはいない」と話していたのを思い出します。
デフレを背景に吉野家を始めとする牛丼は時代の寵児でした。
いまやそれらが「勝手に売れるわけではない」時代、マーケティングというものがどこまで機能するのか、注目したいと思いました。今月、数年ぶりに吉野家に行きました。きっかけは…
■Origami Pay 払いに吉野家が対応
現金のオペレーションって、店員もお客も良いことはなにもないはず。ところが今までの吉野家は…
■現金
■WAON
のみ支払い対応という体たらく。それでは、客足も遠のきます。
一方、牛丼チェーンでわたしが一番良く行く松屋。松屋を愛用する理由は…
【1】ずいぶん以前から交通系ICカード払いに対応
【2】自宅やオフィスで松屋アプリによる「事前注文」→店に着いたら「注文後に表示されたQRコード」を券売機で読み取って注文
特に2は便利です。こうした…
【メニューの注文→会計に至る細かいUXの改善】
これが、松屋にあって吉野家に欠けていることでしょう。
「マクドナルドを模範としたレジ注文の『黒い吉野家』ならば女性客が獲得できる」というのもUXを突き詰めていない感。
「牛丼」と「エッグマックマフィンとホットティー」の発話による注文の心理的ハードル。
それが、女性客にとって等価と考えているわけですから。
このようにUXを軽視している吉野家。今後も苦戦しそうな予感があります。男性一人客に深く食い込んでいた強みもあれば弱みもある。そこからの転換を追った記事で興味深い。
自分は吉野家はたまに行く程度。吉野家と松屋があったら吉野家に入るくらいの好みの差はあるかなぁというレベル。記事を読んで、内装は「黒吉野家」で結構違うなぁと思った一方で、概観で「あ、この吉野家違う」と黒吉野家を認識できるか分からないなぁと思ったところ。
慣れている人にとっては気づくかもしれないが、これまで深く入り込んでいない、特に女性層を狙うのであれば、外観ではもう少し違いが分かるようなやり方をしても良かったのではないかと思う。
それは逆に既存客の離反を招く部分もあるかもしれないが、深く食い込んでいる層がある場合には、思い切ったことをやらないと今まで回避していた層には届かないのが現実。