誰かを完全に理解するなんて無理。仮面をかぶって生きてもOKじゃん。平野啓一郎さんと話したらラクになった。
ハフポスト
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自分自身のことさえ完全に理解するのは難しいのに、況んや他人をや。「相手は自分のことを完全に理解してくれてる」「自分も相手のことを完全に理解している」この認識に基づく思考の行き着く先は決して明るいものではない。過剰な期待による、不必要な失望が生まれます。
夫婦関係は大きく分けてお互いがお互いを幸せにする依存関係と、どちらも自分で自分を幸せにする自立関係とに分けられます。ここで幸福感を後味の良い充実感と後味の悪い快楽とに分けたとき、例えばプレゼントやディナーのような快楽を相手に与えることは簡単です。しかしその本当の気持ちに気づきそれを満たすことで後悔のない人生にしていくというような充実感を人に与えることは非常に難しいですね。
そのため幸福感=快楽である夫婦なら依存関係でも上手くいくのかもしれませんが、幸福感=充実感である夫婦なら自立関係の方が上手くいきやすいでしょう。相手の深い気持ちを理解することは不可能でも、お互いが自分自身を深く理解しそれを満たしていくことは充分に可能ですからね。つまり充実した人生や円満な夫婦を目指す際は、どれだけ自分で自分を大切にできるかがポイントになると思います。他人を理解するという感覚も実は脳の錯覚だったりするわけです。一生かかっても自分すら理解できないのに、他人を理解できることなんてないのにね。
そして、自分すら理解できないということこそ平野さんのいう「分人主義」の醍醐味でもあって、人との関係性の数だけ、人は自分の中に新しい自分を生み出していきます。
僕が「ソロで生きる力とは人とつながる力」という論考の原点にこの分人主義があります。