すぐそこまで来ているシンギュラリティとは SFの夢物語が現実になる日
コメント
注目のコメント
一応、仕事としてAIに携わってる人間として一言。
シンギュラリティが2045年というのは何の科学的根拠も無い話でムーアの法則とは無関係なファンタジーの話です。
この記事は技術的な事は何も触れていない。
シンギュラリティに達するためには、まだ複数のノーベル賞級の発明が必要になる、つまり現在の技術の延長線上にはありません。
私が技術者になった頃は今のAIをエキスパートシステムと呼んでいました。具体的には「ベテランの勘」の部分をどうしたら知識データベースと紐づけられるか、という課題です。
ディープラーニングで実現できたのはこの部分。
囲碁のプロが負けたり、レントゲンで癌が発見できたり、新人タクシードライバーがベテラン並みに客を拾えたり、システムがベテランのデイトレーダー並みの実績をだせたり、全てこの、「ベテランの勘を知識データベースと紐づける」という部分の話です。しかも、現時点では、それぞれのベテランシステム毎に全く別のAIを構築する必要があり、汎用性はゼロです。
同じ顔認証システムでも、健康を判定するAIと本人がどうかを判定するAI、人相占いをするAIは(そんなものを作ったとしたらですが)は、全く別のAIを作らなければならない、汎用性は実現できていません。
でも、人間の脳は例えば名医が趣味で人相学をやってるかもしれない、つまり名医の目と占い師の目を両方持つ事が可能なわけです。
さらには現段階でのAIには、西野カナの作詞法をテレビで見ていて、それをヒントに自分の仕事での解決策を思い付く、などという事は出来ないわけです。
サミュエルが1959年に機械学習を提唱してから半世紀かかって人間の「認識」の部分ができただけ。一般に「知能」と呼ばれている部分はまだ影も形もありません。それでも凄い事だし、多くの産業に確実に影響を与えつつあります。今後、誰かがきっと発明するであろうという前提の元に、その発生時期を明確にするのは非科学的と言わざるを得ません。既にほとんどのことでコンピューターに負けているのに、シンギュラリティなんかありえないとか言ってる人は楽観的ですね。
IoTですべての情報が繋がりつつある今、たった一人のマッドサイエンティストがコンピュータに人間に負けないための知恵(コード)を提供すれば確実にそうなると思うよ。シンギュラリティってなんだっけ…と思いながら記事を読んで思い出す。そうそう、人工知能によって起こる技術的特異点だ。
人が想像できる世界は現実になることを考えたら、攻殻機動隊の世界がこの記事の結論部分になるのかなー。ヒトの上位になれるという話にはまだ信憑性が足りないしなぁ。